分数÷分数の導入場面です。子どもたちに次の問題を提示します。
「2/3分で4/6Lのココアを作るマシンがあります。1分では何Lのココアを作ることができますか」
4ます関係表を使って,式は4/6÷2/3になることを見出していきました。
次に,この計算方法を考えます。子どもからは,「前と同じだ」という声があがります。そこで,この声の意味を共有していきます。
「分数のかけ算と同じ」
「かけ算は,分子×分子,分母×分母だったから,わり算も同じように分子÷分子,分母÷分母を計算すればいい」
「かけ算は『かけるかける方式』だったけど,わり算は『わるわる方式』でできる」
子どもたちは,分数のわり算もかけ算と同じように計算ができると考えました。そこで,この方法で計算を行います。結果は「2/2L」ですので,「1L」となりました。ところが,この結果を見た子どもから,「本当に合っているの?」と声があがります。
そこで,図で答えの確認を行います。ところが,この作図が難問でした。どう作図したらよいのか悩む子どもがたくさんいました。
そこで,先ずは「2/3分で4/6Lのココアを作るマシン」の部分を作図します。これは簡単にできました。問題は,1分になった図です。最終的に子どもたちが考えたのが,右図です。さらに,この中の1分で作られるココアの範囲を青の部分だと考えました。そこで,この青の部分が何Lかを考えます。
「一番小さいますは,1/18L」
青の内部は18分割されています。そこから来た考えです。そうなると,青は1/18Lが18個分ですから,1Lとなります。計算の答えと合致します。子どもたちは納得をしています。
ここで子どもからは,「÷2/3をしているのに,答えが増えるのは変だ」と声があがります。これについては,「1分当たりを求めるから合ってる」と声があがりました。わり算なのに答えが増えることに違和感を抱いたのです。しかし,これは解決します。
さて,ここで次のように子どもたちに投げかけます。
「最初の図をもう1回見てみよう」
2/3分の図を見直します。1ますが1/18Lだと考えると,2/3分の部分は8/18L=4/9Lとなります。本当は4/6Lのはずなのに,異なる大きさとなります。この結果に,子どもから「あれ?」「違う」と戸惑いの声があがります。いろいろと考えましたが,この時間では解決には至りませんでした。一体,どこがおかしいのでしょうか?