「A〜Dを赤・黄・緑の3色で塗り分けます。隣り合う部分が違う色になるように塗ると,全部で何通りの塗り分け方がありますか」
よく見られる問題です。通常は,この後,教師から塗り分けるための旗のデザインが提示されます。今回は,この部分を次のように投げかけて,子どもに任せてみました。
「どんな旗のデザインなら簡単にできそうかな」

子どもたちは,先ずはAに赤を塗った場合を考えました。この場合は,全部で6通りの塗り方があります。他にも,Aには黄と緑を塗ることができます。そこで,6×3で18通りであることがわかりました。


6通りと考えた子どもは,右のように考えました。AとDは隣り合うので,赤を塗ることはできません。そこで,右のように考えたのです。Aには赤,緑,黄が入ります。そこで,2×3=6通りと考えたのです。納得できる説明です。
ところがこの考え方に対して,「抜けている」と声があがります。
「赤→緑の次は赤じゃないのもあるよ。黄→緑の順もあるよ」
「赤→黄の次も,緑→黄もあるよ」
旗の模様が変わるだけで,色の並べ方が大きく変わりました。十字架模様の場合は12通りの塗り方があることが分かりました。
ならべ方と組み合わせの学習では,教師が問題場面を全て提示することが多いのではないでしょうか。しかし,このように子どもに問題場面の一部を任せることで,様々なバリ―ションの問題を創り出すことができるのです。