2018年10月18日木曜日

リンゴは何個?

4年生の子どもたちに,「リンゴは何個あるでしょう」と投げかけます。まずは,右のリンゴの絵を一瞬だけ提示します。4年生の子どもなら,この数は瞬時に5個だと判断できます。子どもたちは,「1年生じゃないんだよ」「簡単すぎだよ」と声をあげます。

次に,左の絵を10秒ほど見せます。一気に数が増えました。子どもたちは,「えー」と驚きの声をあげます。「多すぎだよ」という声もあがります。
この時点での予想の数を,子どもに尋ねます。子どもたちは,「100」「300」「200」と切りのいい数を発表していきます。多くの子どもは,切りのいい数を発表します。ここでのポイントは,すぐに子どもに予想の数を尋ねることです。じっくりと時間を与えすぎると,正確な数で総数を発表しようとしてしまうからです。

切りのいい数が多く発表されました。その理由を尋ねます。
「だって,いくつかはっきりわからないから,だいたいを言った」
「だいたいなら,ちょうどでないから言える」
「だいたいは約だから,約300とかで言った」
「はっきりできないけど,だいたいなら言える」
「178なら約200と言えばいい」
「178は,200との差が22だけど,100との差が78もあるから,約200」
「150が境目で,151から上だったら約200で,149より下だったら約100」

子どもたちは,自分たちで例題となる数を設定し,約何百の範囲がいくつからいくつまでなのかを説明してきました。
その後,提示したリンゴの絵を配布します。実際のリンゴの数は272個でした。先ほどまでの子どもの話をもとに,説明が続きます。

「これはだいたい300だね」
「だって,300からの差は28で,200との差は72もある」

この時間は「概数」の導入場面です。子どもから「だいたい」「約」を使いたくなる状況を設定することで,この見方を引き出すことができました。