2018年10月4日木曜日

1㎡の導入は逆パターンで

4年生「面積」単元の後半に,1㎡の学習があります。面積の単位が,㎠から拡張していく場面です。教科書などには,1㎡を教えた後で,1㎡の正方形に何人の子どもが入ることができるのかを実験するページがあります。

今回は,この教科書の素材を少しだけアレンジして,次のように投げかけました。
「10000㎠の図形には何人の人が立つことができますか」

1㎡は教えていません。従って,ほとんど子どもたちは10000㎠が1㎡という認識はありません。ましてや,この数字が具体的にどれ位の大きさなのかの見当もついてはいません。ものすごく大きな面積をイメージしている子どももいます。逆に,とても小さな面積をイメージする子どももいます。

子どもたちに,次のように投げかけます。
「前の勉強で,6㎠の形は無限にあることが分かったね。10000㎠の形もきっとたくさんあるね。どんな形がイメージできるかな。ノートに図を描いてみよう」

子どもたちは様々な図形を作図しました。前時で6㎠の面積の図形が様々作図できることを学習しています。その経験が,ここでも生きてきました。1辺が100㎝の正方形だけではなく,様々な数値の組み合わせの図形が描かれました。その中のいくつかを板書させます。

この時点では,子どもたちは「どれも10000㎠なんだから,立つ人数は全部同じだよ」と考えています。そこで,8人1組の班で実際に立てる人数を実験することにしました。どの図形を使うかは,班で相談して決めさせます。1辺が100㎝の正方形を選択した班が多くありました。一方,縦25㎝・横400㎝の長方形を選択した班もありました。

絶縁テープを使って,床に選択した図形を作図します。その後,図形の中に何人が立てるのかを実験します。

正方形は17人が最大でした。一方,縦25㎝・横400㎝の長方形には最大26人の子どもが立てました。多くの子どもが,面積が同じなら立つことができる人数も同じだと考えていましたが,その予想を覆す結果となりました。

この後,10000㎠のことを1㎡と呼ぶことを教えます。同じ1㎡でも,このようなアプローチで授業を展開すると,同じデータの中に異なる結果が見えてきます。子どもの固定観念を崩すことにもつながる1時間でした。