お待たせしました! 久しぶりの算数授業の投稿です。
6年生の算数です。「何が見えるかな」と言って,
「若山や はるか光は 山や川」
と板書します。最初に子どもから聞こえてきたのは,「俳句だ」「五七五だ」という声です。季語はありませんが,構成される文字数は「五七五」の俳句と同じです。ところが,別の発見をした子どもがいました。
「回文になっている」という発見です。すかさず「平仮名にすると分かる」と声が続きます。平仮名に直すと,「わかやまや はるかひかるは やまやかわ」ですから回文です。鋭い視点です。想定以上に早い発見でした!
次に2問目を提示します。「丸くなるな 車」です。明らかに俳句の構成ではありませんが,「まるくなるな くるま」と平仮名に直すと回文であることが分かります。ここまでに算数的要素はありません。子どもからは「なんで国語?」と声が聞こえてきます。
3問目に提示したのは,左図です。これは回文でしょうか。子どもの判断にはズレが生まれます。平仮名に直すと「いちいちいちいちいち」ですから回文にはなりません。回文だと考えた子どもはこの図をどのように見たのでしょうか。回文と考える気持ちを読解します。
「文字じゃなくて,1という形としてみたら回文」
「半分に折ったら重なるから回文」
「1」を「いち」ではなく「形」として見たら回文に見えるという視点が生まれてきました。
この視点で見ると,右の図も回文に見えてきます。ここで子どもたちは,これは文ではないので「回形」と新たな名前を付けました。
最後に,次の三角形が回形なのかを考えます。左は折るとぴったり重なりました。回形です。
一方,右は子どもの判断にズレが生まれました。子どもたちの調査の結果,斜辺の長さが等しくないこと,左右の角の大きさが異なること,上部の頂点から垂線を引いたとき,その線と底辺の交点から左右の頂点までの長さが異なることなどを根拠に回形でないことを見つけていきました。図形を回図か否かを判断する場面では,辺の長さや角の大きさ,二等分線の角の大きさなどの新しい視点が生まれてきます。
線対称との出会いを国語的に行った1時間でした。