2025年12月27日土曜日

曲線?直線?

 「グラフに表すことはできますか?」

このように尋ね,グラフ化する場面を提示します。

①正方形の1辺の長さと周りの長さ

これは簡単です。右肩上がりの比例のグラフが完成します。

②正方形の1辺の長さと面積

子どもたちは,1辺が1㎝・2㎝・3㎝・4㎝・5㎝の場合の面積を求め,その値を点で印をつけます。問題はその後です。点と点の間を直線で結ぶのか曲線で結ぶのかでズレが生まれます。直線で結ぶ子どもたちは,①の問題が比例グラフだったことが影響しています。直線か曲線か,はっきりとしません。そのときM子が次のように説明します。

「例えば1辺が1.5㎝だとします。面積は2.25㎠です。辺の長さは1.5倍なのに面積は1.5倍よりも大きいです。だから,点と点の間は比例していません」

直線で考えいた子どもたちは,点と点の間は比例だと考えていました。しかし,M子の例示からそこに比例関係がないことが見えてきました。従って,曲線で結ぶことが分かりました。M子のように例示することで,新しい世界が見えてきます。

③高さ10㎝の植木鉢を上下交互に積み重ねた時の個数と高さ

これは一見すると右肩上がりの一直線になりそうです。しかし,これはありえないグラフです。なぜなら,植木鉢1.5個はないからです。植木鉢は分離量です。従って,個数の整数値しかグラフには表記できないのです。点だけのグラフになります。


2025年12月16日火曜日

グラフはできるかな?

 子どもたちに「グラフはできるかな?」と投げかけます。

①正方形の1辺の長さと周りの長さ

②正方形の1辺の長さと面積

③時間の経過とたまる水の深さ

この3つの問題場面を順にグラフにしていきます。①③は比例のグラフになります。右肩上がりの一直線です。

②は増えれば増えるタイプですが,比例ではありません。子どもたちが悩んだのは,1㎝,2㎝のデータを順に点を打ったあとです。点と点をどうつなぐかで,考えにズレが生まれました。

「点と点は直線でつなぐ」

「点と点の間はカーブする」

1問目で比例のグラフを作図しました。そこから,点と点の間は直線で結ぶと考えたのです。ところが,この考えに対して反論があがります。

「直線ということは,その間は比例しているってことだよ」

「???」

「例えば1㎝の時の面積は1㎠,1.5㎝の時の面積は2.25㎠。辺の長さは1.5倍なのに,面積は1.5倍よりも大きくなるから,比例していない」

辺の長さが1.5㎝を例示することで,点と点の間には比例関係がないこと見出すことができました。すごい例示力です。

④高さ10㎝の植木鉢を上下交互に積み重ねた時の個数と高さ

これは比例になります。ところが,全員が点と点の間を直線で結びました。そこに違和感を抱くことはありませんでした。本当に大丈夫?

「0~1個の間の植木鉢は存在しないから,直線はいらない」

「それなら,1.5個の植木鉢もないよ」

「中途半端はないから,点と点の間は直線を引いてはいけないんだ」

全員が騙された問題でした。




2025年12月15日月曜日

亀がうさぎを追い抜くのは?

 「うさぎと亀が同時に出発します。うさぎは時速20㎞で15分進み,45分休憩します。これを繰り返します。亀は時速5㎞で走り続けます。亀がうさぎを追い抜くのは何時間何分後ですか」

長文ですが,題意は理解できました。子どもたちは,ノートに式やグラフ,図などを描いて,追い抜く瞬間を求めようとしています。一方,「分かんない」という声もあがります。

そこで,「どうしたら分かるかな?」と尋ねます。両手でうさぎと亀の動きを表現する子どもの姿が見えました。そこで,それを板書してもらいます。

うさぎと亀が右側へ進んでいきます。速さが違うので,うさぎの進み方が大きくなっています。両者の速さのイメージはできます。しかし,これでは何時間後に追い抜けるのかは見えてきません。

子どもからは,次の声があがります。

「数字がないから分からない」

「何分かが分からない」

「距離もない」

子どもたちは,先ほどの2匹の動きに足りない情報を洗い出します。そこで,時間と距離の情報を加えます。結果として,2次元のグラフができあがります。そこに,うさぎと亀の動きを入れていきます。

すると,亀がうさぎに追いつく瞬間が見えてきます。1時間後,2時間後,3時間後です。この時間に追いつきますが,追い抜くことはできません。

そこで,どうしたら追い抜けるかを考えます。子どもからは,「うさぎがずーっと休んでいたらいい」と声があがります。昔話のタイプですね。一方,「亀の速度を上げたらいい」という声もあがります。そこで,時速10kmで進むことにします。これでグラフを作図すると,追い抜く瞬間が一目瞭然です。30分後に追い抜くことがわかります。子どもからは「図は最強」と声があがります。グラフを使うよさに気づいた1時間でした。




2025年12月10日水曜日

コピー用紙1枚の重さは?

 今回はコピー用紙1枚の重さです。子どもからは「昨日のが使える」と声があがります。紙厚の考え方を重さにも活用しようとする見方・考え方です。

実際に1枚の紙を手に取り,重さを実感します。多くの子どもが1g程度を想定します。

その後,何十枚のコピー用紙の重さを測定し,比例の考えを使って計算します。結果は,予想以上に重い4g台になりました。想定外の重さに,子どもたちもびっくりでした!



コピー用紙1枚の厚さは?

 「コピー用紙1枚の厚さは何㎜でしょう」

このように子どもたちに問いかけます。

コピー用紙を1人に1枚ずつ配布します。定規で厚さを測定します。しかし,厚さは1㎜以下です。測定結果は「0.1㎜」「0.2㎜」「0.3㎜」と分裂します。

子どもたちは,「だったら,折って調べたらいい」「重ねた方がいいよ」とコピー用紙を複数枚重ねる方法を考えました。しかし,前者の方法は「隙間ができる」「紙が戻ってくる」と指摘の声があがります。コピー用紙を何十枚も重ねる方法で厚さを測定することにしました。ただし,用紙の間に空気が入ると膨らんでしまうので,子どもたちは重たいものを上に載せたり,定規を用紙の端から端に滑らせて空気を抜いたりしていました。

例えば,100枚のコピー用紙の厚さを測定したチームは,その厚さは9㎜でした。1枚当たりの厚さは,9÷1000.09㎜ということになります。他の班の子どもたちも同様の方法で,1枚当たりの厚さを計算していきました。結果は,どの班も0.1㎜前後となりました。



実際の厚さは,コピー用紙の包み紙に書かれています。「紙厚0.09㎜」と書かれています。子どもたちの調査結果は,かなり正確でした!

2025年12月9日火曜日

今日は京都府南丹市の学校へ

 昨日に引き続き,今日は京都府南丹市の学校を訪問しました。全校6クラスの学校です。全6クラスの授業を参観しました。今年2回目の授業公開でした。どのクラスの先生方の授業も,半年前よりも確実にレベルアップしていました。

この学校は,この研修スタイルをもう数年間に渡って継続しています。継続することで,先生方の授業技量も確実に向上していきます。継続は力なりは,研修にも当てはまりますね!

かわいい出雲の子どもたち!

 昨日は出雲市の小学校を訪問しました。25クラスの授業を参観し,全授業に対してコメントを行いました。先生方のやる気に圧倒されました!

さらに,3年生との授業公開も行いました。とてもかわいい子どもたちでした。すばらしい発想と呟きが次々と生まれてきました!かわいい子どもたちでした!



2025年12月7日日曜日

出雲に到着!

 出雲市に到着しました。明日は,朝から30クラス近い学級を訪問するため前日に入りました。出雲はNHK朝ドラ「ばけばけ」効果でしょうか。多くの観光客の方がお見えになられていますね。



関西大学初等部公開授業のお知らせ

 2026年2月7日(土)は関西大学初等部公開授業です。担任している6年生最後の公開授業です。今回は数年振りに算数の公開授業を行います。数学的な見方・考え方の中の「一般化」「特殊化」に焦点化した授業提案を行います。

研究会の詳細やお申し込みは,以下のアドレスからお願いします。

https://www.kansai-u.ac.jp/elementary/2026/02/15-3.html

明日は出雲市を訪問します

 明日は島根県出雲市の小学校を訪問します。全クラスが授業公開を行います。数年前から訪問している学校です。継続的に訪問する学校はいくつもありますが,全クラス授業公開をする学校は多くはありません。私は,本気で学校全体の授業改革を進めようと考えるのなら,全クラスの授業公開が最も効果的な手段だと考えています。これまで数年を掛けて大きく授業力が向上した学校は,全て同じ手法で改革を行ってきました。

一部の先生だけが授業公開を行っても,全教員にその成果が波及することはありません。人の授業を見ることだけで授業技量が向上するのであれば苦労はしませんよね。それはスポーツも同じです。大谷翔平選手のプレーを何度も見たからといって,彼と同じプレーができるはずはありません。授業技量向上もそれと同じです。授業公開という修羅場に立たなければ,それを高めることはできません。

明日は,私も授業公開を行います。どんな子どもたちとの出会いがあるのか楽しみです!


2025年12月1日月曜日

植木鉢を重ねる

「植木鉢を重ねると」と子どもたちに投げかけます。重ねるイメージを,子どもたちがジェスチャーで表現します。しかし,その動きは子どもによって異なりました。そこで,そのイメージをノートに描かせます。

子どもたちに,「自分とは違う重ね方には,どんなのがあると思いますか」と尋ねます。最初に生まれたのが,板書左の上下を交互に重ねるパターンです。子どもからは「比例している」と声があがります。植木鉢の高さを10㎝とすると,高さyは,「10×x」と文字式で求めることができます。

一方,多くの子どもは同じ向きに植木鉢を重ねるパターンを考えました。この場合は,下の植木鉢の中に上の植木鉢がスポッと入ります。このパターンの場合は,比例にはなりません。植木鉢の個数は増えますが,その高さは比例的には増えません。単なる片方が増えれば,もう片方も増えるパターンです。

その後,この重ね方のように比例ではない2量の増え方のモデルを探します。「身長と体重」「兄と妹の年齢」「紙の折回数と折られた紙の枚数」などは,比例ではない増えるパターンであることが分かりました。

比例反比例の1時間めです。