2017年2月13日月曜日

かけ算とわり算をつなげる

2月の公開研究会には,北海道から九州までの多くの先生方に参観いただきました。窮屈な教室でしたが,子どもたちの活躍はいかがだったでしょうか。

分で6/8Lジュースを作るマシンがあります。1分では何Lのジュースを作ることができますか」という問題を提示しました。この問題に出会った子どもたちから,「逆だ」「わり算だ」と声があがりました。前時までに子どもたちは,分数のかけ算の問題に取り組んでいました。その問題との違いに,問題文を分析することで感じたのです。これだけでも十分にすばらしい感覚です。

この「逆だ」の声を,クラス全体で共有していた時のことです。「もしが1よりも大きかったら,答えは小さくなるし,1よりも小さかったら答えは大きくなる」という声があがってきました。に入る数の大きさで商の大きさが異なることを指摘する声です。さらに,「もしが0.1なら・・・」「もしが2なら・・・」と具体的数値を代入して説明する声も生まれてきました。このような見積もりのできる子どもたちに姿にもびっくりしました。

その後,に2/4を入れて問題を考えます。子どもからは,6/8÷2/4と2/4÷6/8の2つの式が生まれました。どちらの式が正しいのかを,今度は4ます関係表を使って子どもたちは,説明していきました。この姿にも,参観の先生方から驚きの声があがっていました。

4ます関係表を使って,6/8÷2/4の式であることがわかりました。この式を見た子どもから,「今までと同じでいいじゃん」「分子同士,分母同士でわればいいんじゃないの」と声があがります。分数のかけ算での計算の仕方を,分数のわり算にも当てはめることができるだろうと考えたのです。このような見方は,一般化につながる見方です。よい考え方が生まれました。

この考え方で計算すると,分子は6÷2,分母は8÷4となり,答えは3/4となります。この計算の確かめを,図で行います。図でも同じ答えになることが確認できました。しかし,子どもから「でもさあ,われない数だったらどうするの」と声があがります。一般化の限界を指摘する声です。例外を探そうとする見方が生まれることも素敵な考え方です。
子どもから生まれてきたのは,6/8÷2/3という式です。この場合,分子は6÷2=3とわりきれます。しかし,分母は8÷3=2.666・・・となりわりきれません。先ほどの方法では,確かにうまくいきません。

ここで生まれてきたのは,倍分の考え方です。「だったらわれるようにすればいい」「倍分すればいい」「分母と分子を3倍ずつして18/24なら2/3でわれるよ」と子どもたちの声が続きます。倍分の考え方は,分数÷整数で学習しました。その時の学びが,この場面とつながったのです。このような単元を超えた見方ができる点も,子どもたちの素晴らしい姿でした。

授業では,図で答えの確かめをしていた時に,「あっ,図から見える式が逆になっている」「6/8÷2/4が6/8×4/2になっている」という,次の時間につながる逆算の見方も生まれてきました。

既習の学習内容を使いこなす子どもたち,さらには新しいことを発見する子どもたち,様々な数学的見方が発揮された1時間となりました。