2020年2月14日金曜日

0は何個かく?(3年2けたの筆算)

3年生の子どもたちは,かける数が二位数のかけ算の計算方法を考える学習を進めています。単元前半は,筆算を使わずに計算する方法を考えていきました。子どもたちは,かけられる数・かける数の両方を位毎に分ける方法と,かける数だけ位毎に分ける方法を考えていきました。いずれの方法でも計算はできます。しかし,前者の方法はかけられる数の位が大きくなると,式の数が多くなり大変になります。ただし,245×43なら,1本1本の式は200×40などシンプルな式なので,この部分の計算自体は簡単です。一方,後者の方法は,答えに至るまでの式の総数は3本で終わります。しかし,245×3などの計算に大変さを感じている子どももいました。

これらの学習を経て,子どもたちは筆算と出合います。前者の方法は,外国式と呼ばれる写真左側の式につながります。
後者の方法は,日本式と呼ばれる写真右側の式とつながります。

2つの筆算の簡便さを,子どもたちは話題にして単元後半の授業が進んでいきました。

609×70の計算に取り組んだときです。日本式はどの子どもたちも,同じように計算を進めていくことができました。
一方,子どもたちの考えにズレが生まれたのは外国式の筆算です。左の黄色い部分は,(十の位の)0×70の答えを書く部分です。この場所に,0を何個書くのかで子どもたちの考えにズレが生まれました。

「0は2個でしょ」
「えっ,3個だよ」
「違うよ,4個だよ」

多くの子どもたちは,この段階ではほぼ直感で考えていました。しかし,ズレを感じた子どもたちは,再度,0の数を見直す活動に入ります。しばらくすると,「やっぱり3個だ」という声が多くあがってきました。一方,なぜ0が3個なのかがはっきりとしない子どもたちもいました。

0が何個なのか,本当に3個なのか子どもたちが話し合いを進めます。

「ここは,00×70の答えでしょ。0が3個あるから,000」
「本当の式は,00×70で,この答えを書く。00×70を筆算でしたら,0が3つになることが分かる」
「0×0の答えは0。十の位の0×0は答えの十の位の0・・・」

黄色い部分の答えは,00×70の式の答えを書く欄です。そのことをもとに考えると,000と書くことの妥当性が見えてきます。0も000も,数としての大きさは同じです。しかし,式の論理を大切に考えていくと,000と考えることの意味が見えてくるのです。

3年生の子どもたちの,論理展開の奥深さを実感した時間となりました。