3年生のかける数が二位数のかけ算学習の終末段階です。子どもたちに,次のように投げかけます。
「答えがぞろ目になる百の位×十の位のかけ算は作れるかな」
子どもたちは,ノートに向かって計算を進めていきます。しばらくすると「ありました」と声があがってきます。しかし,ここではすぐにその式は発表はさせません。式探しにもっとじっくりと取り組ませたいと考えたからです。
それからしばらくした後,ぞろ目の答えになったという式を板書させます。次の式が板書されました。
404×22=8888
707×11=7777
101×77=7777
いずれもぞろ目の式です。この板書を見た子どもたちが,「きまりがあります」と声をあげます。3つの式の共通点に気がついたのです。
「かけられる数の百の位と一の位が同じ数になっている」
「かけれられる数の十の位は全部0」
「かける数は,どれもぞろ目」
いずれの指摘も,3つの式に当てはまります。一方,このきまりの声に対して次の声があがります。
「でもね,くり上がりがあったら,ぞろ目ではなくなります」
「707×33は23331になるからぞろ目にならない」
「一の位のかけ算は7×3で21。十の位にくり上がるからぞろ目にならない」
きまりが当てはまらない反例を見つけてきたのです。この指摘によって,子どもたちが見つけた3つのきまりは,繰り上がりがない式を作る時にのみ当てはまることが見えてきました。しかし,このきまりを使えば,繰り上がりのないぞろ目の式を作ることはできます。そこで,子どもたちにぞろ目になる式探しに取り組ませます。
101×11=1111
202×11=2222
303×11=3333
202×22=4444
505×11=5555
303×22=6666
909×11=9999
303×3=9999
ぞろ目を構成する数が1〜9まですべての式を見つけることができました。
子どもが見つけたきまりを活用すれば,数が1〜9のぞろ目の式を作ることが見えてきました。それと同時に,子どもから「真ん中(十の位)が0じゃないぞろ目になる式は,絶対にできない」と声があがってきました。さて,本当にぞろ目の式はないのでしょうか・・・。