本校の研究会が終わりました。3年生の子どもたちに「1番〇〇な数」の学習を行いました。
子どもたちに,次のように投げかけます。
「1~8の数字を全部使った,千の位同士の計算を作ろう」
先ずは,答えが一番大きい計算を作ろうと投げかけます。子どもからは,「簡単」と声があがります。そこで,ノートに計算をさせます。
子どもたちの考えは,大きく2つに分かれました。先ずは,「8765+4321」を取り上げ,「この式を書いた友だちの気持ちは分かるかな」と投げかけます。
「答えを大きくするには,千の位を大きくするでしょ。だから8を千の位に書いて,あとは順番に7,6,5・・・と書いた」
この説明に子どもたちも納得です。それと同時に,「でも」と声があがります。もっと答えが大きくなる式があるという声です。
「8642+7531の方が大きくなる」
「千の位を大きくするから,千の位の8の下に次に大きい7を書く」(筆算形式で説明)
「百の位は次に大きい6で,その下に5を書く・・・」
8~1の数字をどの位にどの順で位置付けると答えが最大になるのかを,子どもたちは論理的に説明してきました。
続いて,「今度は,答えが一番小さくなる計算はできるかな」となげかけます。子どもから,「簡単」「逆だ」と声があがります。子どもたちは,すぐにノートに向かって計算式を書いていきます。
多くの子どもが作った答えは「1111」でした。この答えを出して,安心している子どもがほとんでした。「2468-1357」の式で「1111」を求める子どもがほとんどでした。先ほどの「逆」の意味を,千の位~一の位の数字の配置を反対にすると考えたのです。一方,「8642-7531」の式を考えた子どももいました。そこで,この式を取り上げ「8642-7531の式を考えた友だちの声はわかるかな」と,式の読解を行います。
「各位の数字の差が小さくなるようにすれば答えが小さくなると考えた」
「差が1になるように考えた」
「8と7は差が1違い。でも,8と6なら差は2になる。だから,(同じ位は)1違いにした」
同じ位の差に目を付けたすばらしい説明が生まれてきました。この式の反対の意味は,たしざんをひきざんに反対にするという意味だったのです。
「8642-7531」も「2468-1357」も答えが最大のたし算探しで見つけたきまりを,ひき算にも当てはめて考えたのです。考え方を類推する見方・考え方は,これまでの算数学習でも繰り返し経験したことです。この見方・考え方には価値があります。
しかし,「もっと小さい答えの式がある」という声があがってきます。何人かの子どものノートには,「1111」よりも小さな答えの式が書かれています。つまり,答えが最大になるたし算の式探しのきまりが,ひきざんには当てはまらないのです。子どもたちの式探しが再スタートです。
1111よりも小さい答えを見つけた子どもたちが,その式を板書していきます。板書された式の中で,答えが最小になったのは「5123-4876=247」になりました。この時間では,この答えよりも小さい式は見つかりませんでした。この式の答えが最小なのか疑問をもったところで時間となりました。また,子どもからは「式にパターンがある」「きまりがある」とあらたなきまりに気付く声が生まれてきました。次の時間にも子どもの問いが連続していく形で授業を終えることができました。