2年生「大きな数のひきざん」の導入場面です。
次のように子どもたちに投げかけます。
「百の位−十の位の筆算はできるかな?」
「簡単」という声が多数聞こえてきました。一方,自信がなさそうな表情を浮かべる子どもたちもいました。そこで,クラス全体の次のように投げかけます。
「どこが難しいと思っているのかな?」
子どもたちは心配そうな表情を浮かべた子どもたちの気持ちを読解していきます。さらに,その読解をきっかけに子どもたちが動き出します。
「百の位と十の位に差があるから難しいんだよ」
「でも,100-20は簡単だよ」
「でも,難しいのもあるよ」
「繰り下がりがあると,難しくなる・・・」
同じ百の位−十の位の計算でも,簡単に計算ができるものとそうではないものがあるのではないだろうかと,子どもたちは分析を始めたのです。そこで,ノートに「簡単そうな式」と「難しそうな式」を書かせました。それが下のような式です。
板書された式を,1つ1つ簡単か難しいか分析をしていきます。
「21と21が同じだから簡単」
130-120→
「30-20は簡単」
「一の位が0だから簡単」
また,両者の式から次の分析も生まれてきました。
「どちらも繰り下がりがないから簡単」
繰り下がりのある・なしに目をつけたよい分析です。
ところで,子どもたちが簡単だと考えた,100-20には繰り下がりがあります。この式については,次のように分析を行います。
「100は00だし,20も一の位が0だから簡単」
「すっきりとした数だから簡単なんだよ」
一方,難しい式に分類された式については次のように分析していきます。
160-13→
「繰り下がりがあるから難しい」
「さっきみたいにすっきりとした数じゃないから難しい」
さらに,911-99の分析をした際には,次の声があがります。
「これは繰り下がり2回ある」
「一の位と十の位の2回ある」
「だから,むずかしい度がアップしている」
同じ繰り下がりでも,その回数により難易度が異なることを指摘してくることができました。「むずかしい度がアップ」という子どもらしい言葉を使って,計算の難易度をネーミングできたのは素敵ですね。
実際に筆算に取り組まなくても,式の数字から繰り下がりのある・なしを分析し,式の難易度の仲間分けができた素晴らしい子どもたちです。