子どもたちと作ったひきざんの2年生「大きな数」での
筆算のひきざん問題での「難しい度が低い」問題に取り組みました。右のような計算に取り組む中で,「難しい度が低い」問題には2パターンあることに子どもたちが気付きました。
右の②のような一の位が繰り下がるタイプと,④のような十の位が繰り下がるタイプです。このような仲間分けができることを見つけた直後は,次のような声があがりました。
「十の位が繰り下がる方が難しいよ」
「だって,借りてくるのが大きな百の位だから・・・」
「一の位の方が難しい気がするよ」
「どれも同じ難しさじゃないかな」
「難しさ」は感覚的なものです。そのために,子どもの話し合いも平行線です。
その後,いくつかの繰り下がり1回の問題に取り組みます。すると,今度は子どもたちの思いにも変化が生まれてきました。
「やっぱり,どちらも同じだよ。だって,もらってくる10はいっしょでしょ」
鋭い指摘が生まれてきました。「もらってくる10はいっしょでしょ」という言葉です。この言葉の意味は,すぐには子どもたちが理解することはできませんでした。そこで,この言葉の意味をクラス全体でゆっくりと共有していきます。
「一の位が繰り下がるとき,十の位から10借りるでしょ。十の位が繰り下がるとき,百の位から10借りるでしょ」
「もらってくる10はいっしょだね」
「えっ? 百の位から借りるのは100じゃないの・・・?」
「一の位が繰り下がるとき,十の位からもらうのは1が10個。十の位が繰り下がるとき,百の位からもらうのは10が10個」
繰り下がりの10という表面的な数字ではなく,その10は繰り下げられた位の単位量が10個分であることを指摘する声も生まれてきました。
形式的な計算になりがちな筆算の学習ですが,子どもたちが筆算の奥に隠された秘密を見いだした1時間となりました。