子どもたちに,次のように投げかけます。
「かけ算の式で表せる場所を探そう」
かけ算学習の目的は,かけ算九九を暗唱することだけではありません。最も大切なことは,同じ場面を複数のかけ算の見方で表現する数の多面的な見方ができることや,日常生活の中にかけ算で表現できる場面を見出す見方・考え方を培うことです。この学習では,この目的の後者の部分を培おうと考えました。
最初に子どもから生まれてきたのは,ホワイトボード下のロッカーの小部屋の数でした。この小部屋は,2×3と表現することができます。当初は,この小部屋の数が2×3に見えない子どもが多数いました。2年生には,具体的場面を抽象化して考えることは時間がかかります。
その後,子どもたちは教室にある様々なものをかけ算の
式で表現していきました。
「窓の下の小さな窓は,2×4」
「窓の上の大きな窓は,2×2」
「窓にあるカーテンは,2×4」
「天井のエアコンは,2×2」
「教室の後ろのロッカーは,3×3」
様々なかけ算の式が教室から見えてきました。こ
れらのものがかけ算の式に見えることは,私も想定内でした。私の想定外のかけ算の式は,右の消毒液でした。コロナ感染対策用に廊下に置かれているものです。この消毒液は,常に右のように配置されています。これは「3×2」と表現できます。
こんなところにもかけ算の式を見つけることができるなんて,子どもの視点は鋭いですね。