前回の「小さい方が勝ちゲーム」の続編です。前回は,ゲ
ーム結果の数字カードを繰り下がりの回数に応じて仲間分けしました。
本時は,実際の計算に取り組んでいきます。子どもたちに,次のように投げかけます。
「簡単に計算できそうなのは,どのカードですか?」
子どもたちは,「繰り下がりがない」カードを一斉に指摘します。しかし,繰り下がりのないカードは8枚もあります。そこで,次のように問いかけます。
「8枚の中で,一番簡単に計算できそうなのはどれかな?」
これは全員が同じカードを指摘します。「509-508」のカードです。そこで,なぜこのカードが簡単だと考えたのかを尋ねます。
「だって,508と509は1違いだから簡単」
「数字が,508,509とつながっているでしょ。だから簡単」
「同じ数字が2つある」
「百の位は5と5,十の位は0と0。だから計算が簡単」
「同じ数字の位が,百の位・十の位と続くから簡単」
「316と306も同じ数字の位が2つあるけど,百の位と一の位と離れているから少し難しい」
子どもたちは,2つの数字の位同士の関係を比べ,簡単に計算できそうな理由を論理的に説明していくことができました。
子どもたちが選択した「509-508」は簡単に計算できるのかを確かめます。計算に取り組んだ子どもからは,「簡単」「すぐにできた」と声があがりました。
次に子どもたちが簡単だと考えたのは,「750-650」です。同じ数字の位が2ヵ所あります。それは十の位・一の位と連続しています。この計算も,「簡単」だと子どもたちは取り組み後に声をあげました。
その後,「316-306」などの同じ数字の位が離れている計算,「491ー200」の02つある計算,「718ー707」の同じ数字の位が1つしかない計算と取り組みました。いずれの計算も「簡単」と子どもたちは声をあげました。
ひきざんの学習では,教師から与えられた計算問題を解いていくだけの展開になりがちです。しかし,本実践のように子どもに選択させる場面を設定することで,目的意識をもった展開を進めることができます。