子どもたちにつぎの問題を提示します。
「午前7時50分に学校を出発したポチ君は,犬駅まで20分かかりました。犬駅についた時刻を求めましょう」
式が「7時50分+20分」であることは,すぐに理解できました。そこで,どうやって犬駅に到着した時刻を求めるのかを考えさせます。多くの子どもたちは,「筆算で計算した」と声をあげます。そこで,どんなふうに筆算を書くのかを考えさせます。
子どもたちは右のような筆算をノートに書きます。しかし,
本当にこのような筆算の書き方でいいのでしょうか? 「これでいいの?」という私の問いかけに対して,つぎの声が聞こえてきました。
「いいよ。だって,mLとLの時と同じようにすればいいよ」
「㎝と㎜の時もそうだよ」
「同じ単位で揃えて計算すればいいんだよ」
子どもたちは,当たり前のように「時」と「分」の部屋を分けて筆算をしていましたが,そこには前述のような既習の学びが隠されていたのです。水のかさ・長さの学習では,単位を揃えて計算するよさを学習しました。そこで学んで単位を揃えるよさが,時間の学習でもリンクされたのです。単元を超えた見方・考え方の共通性に気がつける子どもたちの視点,本当に素晴らしいですね。子どもたちには,「超すばらしい」マークを板書でプレゼントしました。
このあと,単位を揃えた筆算で計算を進めていきます。そのまま計算すると,答えは「7時70分」になります。これに対して,子どもたちが説明を始めます。
「1時間は60分でしょ。だから,70分は60分と10分に分けるでしょ。そのうちの60分は1時間だから,7時にあげる」
「分はまだ10分だけ残っている。だから,8時10分になる」
分の位の数字が60分を超えた繰り上がりになります。その繰り上がりの数字の処理の仕方について,子どもたちは分かりやすく説明していくことができました。
量と測定領域の「時刻と時間」「水のかさ」「長さ」が,計算方法を考えることで一気につながった1時間となりました。