「○が3つあって一番多いから,出る確率が高い」
全員が同じ理由でした。果たして,子どもたちの予想は正しいのでしょうか。
2人1組で実験を行います。約7分間,子どもたちはサイコロを振り続けました。出たマークの組み合わせ数は,子どもの予想とは大きく異なるものでした。
最多は289回の○-⬜︎です。子どもたちが最多と予想した○-○は223回でした。○-□とは圧倒的な差です。なぜ,予想に反して○-□が多くなったのでしょうか。その理由を考えます。しかし,これは難問でした。
しばらくした「右と左で違う?」という声があがります。この声をきっかけに,○-□が多くなる理由が見えてきました。
「左のサイコロの○に①②③,右の○にも①②③と名前をつける。①-①,①-②,①-③,②-①,②-②,②-③,③-①,③-②,③-③の9通り」
「○-□だと左の○に①②③,右の□に❶❷と名前をつける。①-❶,①-❷,②-❶,②-❷,③-❶,③-❷の6通り」
「でも,○-□は左と右が反対もある。左が□で右が○もあるから,6×2で12通りある」
サイコロの目に,名前をつけて説明出来る子どもたちのアイディアがすばらしい部分でした。
○-○の組み合わせは,サイコロの右と左の区別がつきません。一方,○-□はその区別ができるのです。このマークの区別の意識ができるか否かが,この問題解決のポイントでした。
この実践は,筑波大学附属小学校の田中博史先生の追試です。