2019年5月16日木曜日

1年「いくつといくつ」を拡げる

1年生「いくつといくつ」の場面です。前時では5を分解する学習を進めました。この日は,6を分解する場面です。

1問目は「6は2といくつ」です。これは2と4です。
2問目は「6は1といくつ」です。これは1と5です。
3問目は「6は3といくつ」です。これは3と3です。

3問目が終わった時点で,次のように子どもに尋ねます。
「なにか気づいたことはないかな」

子どもから,次の声があがります。
「3番目は,3と3と3だ」
「全部3だ」

3問目は3と3なので,同じ数同士に分解できます。1年生なりの表現ですが,3と3に分解できる特殊性に子どもたちは気づいたのです。そこで,次のように投げかけます。

「1問目は2と4,2問目は1と5だから,3と3のように同じ数じゃないね。昨日の5には3と3のような同じ数はあったかな?」

子どもたちは前日のノートをふり返ります。しかし,同じ数の組み合わせはありません。「5にはないよ」と声があがります。そこで,次のように投げかけます。

「6には3と3の同じ数になるお友だちがいるんだね」

この投げかけで,子どもたちが動き出します。

「6だけじゃないよ」
「8もだよ」
「4と4になるよ」
「10もだよ」
「10なら5と5だよ」

目の前の対象場面は6です。ところが子どもたちは,お友だちがいる数の範囲を拡張して考えていこうとしたのです。1年生でも,類推的に場面を拡張する考え方はできるのですね。

8や10の分解は,この段階ではまだ未習です。そこで,具体物を使い本当に同じ数の組み合わせ(お友だち)ができるのかを確認します。いずれも子どもたちの考え通りに,お友だちの組み合わせがあることが分かります。

その後も子どもたちは,「4にもあるよ」「2にもあるよ」と対象場面をどんどん拡張して考えていきました。1年生が類推的思考を発揮した1時間となりました。