今年は1年生の算数も教えています。先日,右のような動物のシールを貼り,子どもたちに尋ねます。(ライオンの左側には,「まえ」という文字が板書してあります)
「前から3番目の動物はなにかな?」
子どもたちの考えは2つに分かれました。「ハムスター」と「ちょうちょ」です。「なんでハムスター?」という呟きも聞こえてきます。そこで,次のように投げかけます。
「ハムスターと考えたお友だちの気持ちは分かるかな?」
友だちの考え方の読解を行いました。1年生スタートして1ヶ月ですが,そんな1年生でもしっかりと読解を進めることができます。
「『まえ』というところから数えたんだよ」
「『まえ』から数えると,1(まえ),2(ライオン),3(ハムスター)だからだよ」
子どもたちから,動物と数字を対応させる説明が生まれてきました。このような説明の仕方は,数学的に価値がある考え方です。この考え方を称賛します。
ハムスターと考えた友だちの考えが読解できました。
そこで,「3番目はハムスターだね」と子どもたちに投げかけます。すると,「そうじゃないよ」「ちがうよ」と子どもたちの声があがります。
「『まえ』は入れちゃあいけないんだよ」
「『まえ』は文字でしょ。動物じゃないよ」
「はじめの動物はライオン。だから,1(ライオン),2(ハムスター),3(ちょうちょ)になる」
「ライオンが1匹目だよ」
異なる考え方と対比して考えることで,子どもたちは「前から3番目」の本当の意味をしっかりと理解していくことができました。
今回の展開は,ほぼ教科書通りです。しかし,そこでの子どもの反応を分析していくとズレが見えることがあります。そのズレを授業の舞台に載せることで,子どもたちの算数に対する理解はより深まっていくのです。