2019年12月7日土曜日

1mを超える分数

3年生の分数学習の後半です。子どもたちに,「次の大きさを図で表そう」と投げかけます。

「1mと1/5m」と大きさを板書し,右の図も板書します。図を見た子どもからは,「えっ?」「どういうこと」「意味分からない」という声が聞こえてきます。

「問題の意味が分からない」という声も聞こえてきました。そこで,問題の意味をクラス全体で考えていきます。

「1mの長さと,あと1/5mの長さがあるってことだよ」
「でも,それを図でどう表すかがわからないんだよ」
「だから,1mの長さをかいて,あと1/5mをかけばいいんだよ」


このように子どもたちは説明してきます。再度,子どもたちはノートに作図を始めます。子どもたちのノートには,2種類の図が描かれていました。そこで,まずは右の図を提示します。

1m分を青で色を塗ります。さらにその図の上に,残りの1/5m分を赤で重ね塗りをしたのです。この図に対して,「そうそう!」「わかる」と納得の声が多数あがります。一方,神妙な表情で首を捻っている子どももいます。首を捻っている子どもに,その理由を尋ねます。

「重ねて塗るのは,なんか変な気がする・・・」

1mと1/5mを分割するのではなく,重ねているので,全体としては1mに見えてしまうことに違和感を抱いたのです。この違和感を共有していきます。すると,「だったら,別の塗り方がある」「『と』だよ」と声があがります。

「問題は1mと1/5mでしょ。『と』と書いてあるんだから,1m分とあと1/5m分を分けてかくんだよ」

右手で1m分を,左手で1/5m分を表現しながら説明をしていきました。この説明をきっかけに,右の図が生まれてきました。この図であれば,前述の違和感は解消されます。「『と』はたすってことだね」という声も生まれてきました。

基準量である1mを超える分数を表現するのは,この時間が初めてでした。「と」の1文字に着目していくことで,分数表現の仕方の概念を拡張していくことができた1時間でした。