2020年6月11日木曜日

516は五百一十六?(2年「1000までの数」)

数字を漢字に直す学習シリーズを,隣のクラスでも行いました。子どもが変わると,子どもたちの問いも変わります。
子どもたちに,次のように投げかけます。
「516を漢字で書きましょう」

子どもの反応は2つに分かれました。「五百一十六」と「五百十六」です。前者の表記について,「一はいらない」という声があがります。しかし,「五百一十六」と表記した子どもには彼らなりの論理があるはずです。そこで,「五百一十六」と書いた気持ちを読解させました。
「516は百が5個,十が1個,1が6個だから,十の前に一をつけた」

この論理は,子どもたちも納得です。十が1個分を表すから,「五百一十六」なのです。そうであれば,この表記でもよさそうです。しかし,子どもたちは「十の位の一はいらない」と声をあげます。十の位の一がいるのかいならいのかが,子どもたちの問いとなりました。

「数字を見ないで,五百一十六だけを見たら,5106だと間違えてしまうかもしれない」
「16は十六としか書かない」
「516の読み方をひらがなに直すと,ごひゃくじゅうろくになる。『ご』=『五』,『ひゃく』=『百』,『じゅう』=『十』,『ろく』=『六』だから,合わせて五百十六になる」

516の読み方を平仮名に置き換えて,さらに細かく分解して漢字に直す説明に,子どもたちも納得でした。子どもらしい,素晴らしい論理です。
さらに,次の説明が続きます。

「数字は,一,二,三,四,五,六,七,八,九と読んで,九の次は十。九の次は一十とは言わないでしょ。だから五百十六でいいんだよ」

既習の数字の読み方をもとに,「五百一十六」の表記の不自然さんを指摘してきたのです。既習学習から論理を組み立てる発想も素晴らしいですね。

子どもから生まれたズレを,子どもに乗り越えさせることで,教師の想定を超えた子どもらしい発想が生まれてきます。