2021年3月3日水曜日

正方形でも1/4はできるの?

2年生の「分数」では,時計型ケーキを使って分数の学習を進めてきました。時計の目盛りを基準とすることで,様々な分数が作れることを見つけてきました。


 そんな子どもたちに,次のように投げかけます。

「時計型ケーキ以外でも,分数はできるかな?」


 子どもからは,「できる」と声があがります。そこで,次のように尋ねます。

「どんな形なら分数ができそうですか」

子どもからは,「三角形」「正方形」「長方形」と声があがります。その中でも,「正方形」は「やりやすい」と考える子どもが多数を占めました。

そこで,正方形の1/4を作ることができるのかを考えさせます。

 

 最初に,右の分割方法を板書してもらいます。確かに1/4
できています。これを見た子どもから,次の声が聞こえてきます。


「まだ,あります」

「えっ,もうないよ」

「丸といっしょだから,まだあるよ」

「時計型ケーキは,最初が十字架で次が×だったでしょ。だから,まだあるよ」

「時計型ケーキは,最初が十字架で次が×。正方形は,最初は×でしょ。だから,次は十字架がある」



 子どもたちは,時計型ケーキで1/4の分割方法を見つけた手順を想起しながら,正方形にも同じ考え方を当てはめられると考えたのです。素晴らしい着眼点です。

 この視点で正方形を分割すると,左のような1/4を作ることができました。時計型ケーキと関連付ける考え方の確かさが証明されました。

 

 多くの子どもは,これ以上1/4の分割方法はないと考えていました。ところが,「まだ,ある」という声が聞こえてきます。ここでも,時計型ケーキの分割方法での考え方が生まれてきます。


「時計では,1分ずつずらすと1/4ができたから,同じように考えればいいよ」

「でも,正方形には目盛りがないよ」

「だったら,1㎝ずつずらしいけばいいよ」


 右のように少しずつ十字架をずらしていくことで,様々な1/4ができることが見えてきました。


 子どもからは,「十字架印以外の1/4も作れる」と声があがりましたが,この時間は時計型ケーキの分割と関連付ける見方・考え方を引き出すことが目的なので,この発想は次回に取り上げることにしました。


 時計型ケーキの分割と正方形の分割のつながりが見えた1時間でした。