子どもたちといろいろな分数作りをしていたときのことです。右のよ
うにます目を塗り分けて,悩んでいる子どもがいました。
「これって,1/4でいいのかな・・・?」
そこで,この悩みをクラス全員で考えることにしました。先ずは,次のように投げかけます。
「これが1/4かどうかで悩んでいるんだけど,その気持ちは分かるかな?」
悩みの気持ちの読解をさせました。
「①④は同じ形でしょ。②③も同じ形でしょ。でも,①と②では形が違うから悩んでいる」
「①〜④は全部4ますでしょ。ますの数は同じ。でも,形は違うから1/4でいいのか悩んでいる」
①〜④の大きさは,ますを数えることで同じになっていることは分かります。しかし,形は長方形と正方形で異なります。このことが,1/4と考えてもよいのかどうかの悩みの原因にあることが見えてきました。この時点での子どもたちの判断も,「1/4と言えない」「1/4でいい」に分裂しました。
果たして,この分け方は1/4と言えるのでしょうか。すると,子どもたちの中に以前に分数を学習したページを振り返る姿が見えました。
「2月24日の勉強は,『同じ大きさに4つに分けた1つ分が1/4』だった。2月25日も,『同じ大きさに分けた1/2,1/4などを分数といいます』と習った。同じ大きさだから,これは1/4でいい」
「『同じ大きさ』であって,『同じ形』ではないから,1/4でいい」
「①〜④は全部4ますずつで,同じ大きさになっているから1/4でいい」
分数学習が始まった当初の,分数の定義を子どもたちは見直したのです。その定義には,「同じ大きさ」の表現はありますが,「同じ形」の表現はないのです。この表現にこだわることで,上記の分け方も1/4になることを見つけていくことができたのです。
算数は既習の学びの上に,新しい学びが積み重なっていく教科です。子どもたちが,以前の分数の学習に立ち返り,この悩みの解決策を見つけてきたことは本当に素晴らしい姿です。