算数の「こぶたぬき」シリーズのその後です。
子どもたちに「35番目はなに?」と尋ねます。前回よりも尋ねる数が大きくなりました。すると「数えたら大変」「だったらわり算ですればいい」と声があがります。
もし「数えたら」どうなるのでしょうか。代表の子どもに,1番目〜35番目まで数えてもらいました。地道に数えることで「きつね」が35番目であることが見えてきました。ところが,それを見た子どもたちから次の声が聞こえてきます。
「数えていくと,途中でどこが何番目か分からなくなる」
「途中で数を間違えたら,最初から数え直さないといけなくなるから大変」
「もし,100番目を聞かれたらもっと大変になる」
実際に数えることの大変さを体験することで,わり算を使うよさを子どもたちは実感することができました。わり算を使えば,「35÷4=8あまり3」となります。「あまり3」なので,それは「きつね」だと分かります。
次に,「すずめ→めだか→からす」の3匹のしりとりの17番目を考えます。これもわり算を使えば一気に分かります。「17÷3=5あまり2」です。あまりの2番目は「めだか」です。
ここで子どもから「おもしろいことがあります」と声があがります。
「しりとりの動物が4匹の時は,わり算のわる数は4だったでしょ。今の問題は動物は3匹でしょ。わり算のわる数も3になっている。動物の数とわる数を同じだよ」
しりとりの登場人物の数とわる数を同じになっている気付きが生まれてきます。すると,この声に刺激され,次の声も生まれてきます。
「だったら,2匹なら,式は÷2になる」
「5匹だってら,式は÷5だね」
子どもたちが,場面を拡張して考え始めました。
そこで,5匹(種類)の場合を実験で確かめることにします。「うみうし→しまうま→まりつき→きらぼし→しんごう」のしりとりを提示します。このしりとりの44番目を尋ねます。
これもわり算なら簡単です。「44÷5=8あまり4」なので「きらぼし」が44番目だと分かります。
しりとりの言葉は5つ。わる数も5です。先ほどの発見の妥当性も見えてきました。
最後はわりざんの問題作りを兼ねて,繰り返すしりとり探しに取り組みました。
「パリ→りんご→ゴリラ→ラッコ→コアラ→ラッパ」
これは,しりとりが6個続いたものです。10個,12個続いたという子どもたちもいました。エンドレスに繰り返すしりとりを作れば,あまりのあるわり算の問題も,エンドレスに作れそうです。