2025年10月7日火曜日

ジャンケンが強いのは?

 「1組・2組でじゃんけんの強さを比べよう」

このように投げかけます。隣同士で,ジャンケンを合計20回行います。勝った回数を数えます。その結果を,1組・2組で比べていきます。

20回のジャンケンが終わった後, 何回勝ったのかを聞いていきます。それを表に整理します。結果を見た子どもから,声があがります。

「線対称になっている」

「例えば,片方が8勝なら相手は12勝になるから,8勝と12勝の人数は同じになる」

「だから平均は両クラスとも同じになる」

「だったらドットプロットで比べたらいい」

そこで,ドットプロットに2組のデータを表します。その結果,8勝~12勝にデータが集中していることが見えてきました。

次に1組のデータを提示します。ドットプロットにすると,1組の最頻値が10回の6人であることが一目瞭然となりました。さらにその後,いろいろな声が生まれてきます。

「1組の最頻値が10回で6人もいるから,引き分けが多いということだ」

「2組は相子は少ないね」

「11回以上勝った人数が,2組は13人で1組は12人だから,2組が強いよ」

「でも反対に見たら,9回以下で負けた人数は,2組が13人で1組が12人だから1組が強いんじゃないかな」

なんとか2組を勝たせる視点が生まれてきました。



2025年10月6日月曜日

アンケート項目を決めて!

「データの活用」単元も学習が進んできました。今回は,アンケート項目を自分決めてクラスメイトに取材を行い,その結果を柱状グラフにまとめる学習に取り組みました。

アンケートの条件は,「答えが数字で答えられる」「ある程度の散らばりがある質問」です。

子どもが考えたアンケート項目は,実にバラエティーに富んでいました。


・集中できる勉強時間

・宿題にかかる時間

・鼻の高さ

・睡眠時間

・消しゴムの身長

・家でご飯を食べ終わる時間

・小指の長さ

・1週間で鉄道を利用する時間

・ポテチを食べるのにかかる時間

・何ページ位の本を読むか

・名前の漢字の画数

・1日のゲーム時間

・通学時間

・身長 など・・・

 

 これらを取材後,下のような柱状グラフへとまとめていきました。自分が考えたアンケートなので,どの子どもたちも生き生きと学習していました。




2025年10月4日土曜日

答えが同じ?

 分数を使った計算に取り組みました。式の中の分母の差が分子になると,答えが同じになることを見つけていく授業です。

授業後半は,子どもたちが気づいたきまりを使って自分で式探しをしていきました。分母の差が「8809004」違いの計算にチャレンジした子どももいました。




2025年10月2日木曜日

身近な素材が大切!

 データの活用で取り扱うデータは,子どもの身近なものであることが大切です。子どもにとって,親近感のあるデータだからです。
クラスの半年間の本の貸し出し冊数を,度数分布表から柱状グラフへと表現しました。その中から,次の気づきが生まれます。
「一瞬でどこが多いのかが分かる」
「100を超えると少なくなる」
「一目で0〜20冊未満の人が多いのが分かる」

柱状グラフのよさが子どもから生まれて来ました。クラスのデータが「0〜60冊に集まっている」という悲しい事実も見えてきました。すると,子どもたちは隣のクラスのデータも気になります。隣のクラスより自分のクラスの方がたくさん本を借りているはずだと思っているんですねえ・・・。このような思いを引き出せることが大切ですね。

その後,隣のクラスのデータをまとめていきます。子どもたちは意欲満々で,隣のクラスのデータ発表を聞いていきました。結果は,ダントツに差をつけれられてしまいましたが・・・。


 

2025年9月29日月曜日

「ふうーん!」

 「今の女子の50m走の記録を表にまとめられるかな?」

このように尋ねます。子どもからは,次の声があがります。

「なんの表?」

「表だったら,前に配られているよ」

「でもさあ,表って同じ数でまとめられているよ」

「でも,前の表はバラバラだよ」

「8.5秒は2人いる。いつもの表ならまとめて書いている」

「前のは速さがバラバラ。普通は速い順になっている」

子どもたちが,既習の表と前時で使った表との違いを指摘してきました。そこで,今まで使ってきた表に,50m走のデータをまとめ直します。

この活動中に聞こえてきたのが「ふうーん!」という声です。この声の意味を読解します。

「面倒だということ」

「人数多くてまとめるの大変」

「小数点のある数が多い」

などの声が聞こえてきました。項目数が多すぎるという声です。そこで,データ数を0.5秒ずつまとめる表があることを教えます。度数分布表です。この表が仕上がると,

「8行しかない」

「簡単だ」

と声が上がります。既習の表と度数分布表の両方を体験することで,後者の表のよさを実感することができました。


2025年9月26日金曜日

女子の体力も低下している?

 「今と昔の女子の50m走るの記録を比べてみよう」

このように投げかけます。前日は男子を比べました。平均では昔が速かったのですが,最速値など別の視点だと今が速いことが見えてきました。

女子のデータを順に提示していきます。カードが貼られるたびに,「あー」「やったー」「やばい」などの声が聞こえてきまます。これらの声があげながらも,子どもたちはデータを分析していきます。

「速いねえ」

「8秒台が多いよ」

「8秒後半が多いんじゃない」

「7秒台もいるよ」

ここまでが今の子どもたちのカードを見た際に生まれてきた声です。

次に,15年前(昔)のデータを提示します。ここでも様々な声が聞こえてきます。

「9秒台だ。よしよし」

「次の11秒台だ。やったー」

「8秒前半が来たー」

「でも,9〜10秒が多いよ」

「今の方が勝ったかなあ」

「平均見ないとわからないよ」

「今は8秒前半が多いから勝ったんじゃない」

「昨日やったドットプロットを使えば,8秒前半が多いか分かるよ」

ドットプロットを使うアイディアが,自然に子どもから生まれてきました。そこで,ドットプロットにそれぞれのデータを位置付けていきます。

作図を終えた子どもからは,次の声が聞こえてきました。

「今は8秒台が多いね」

「昔も8秒台から9秒台が多いよ」

「でも,遅い11秒台を見ると昔の方が多いね」

「今は11秒台は1人でタイムも速い」

「最速も今の方が速いね」

「さっきの集まっているところだけど,よく見ると今は8秒台の前半が多くて,昔は8秒台後半から9秒台が多いから,今の方が速いね」

ドットプロットを見ることで,データを分析的に見る視点が生まれてきました。ドットプロット学習を重ねることで,データの見方もブラッシュアップしてきました。


2025年9月25日木曜日

体力低下は本当ですか?

「今の子どもは昔の子どもよりも体力が落ちていると言われているけど,本当ですか?」
このように尋ねます。
「昔は外で遊んだから,昔の方が体力がある」
「今の方がお母さんに外に出ろと言われるから,今の方が体力がある」

様々な予想が生まれます。
予想にズレが生まれます。そこで,50m走の実際のデータで比べます。今の子ども,15年前の子どもの順に,50m走のデータを提示します。途中から,子どもたちはいろいろなことに気づきはじめます。

「今は7秒台がいるけど,昔はいない」
「昔は遅い人があまりいない」
「人数が今と昔は違う」
「だったら平均で比べたらいい」

今は8人,15年前は15人です。人数が違うため,平均で比べようと考えたのです。計算の結果,今は9.1875秒,昔は8.9秒です。結果は,昔が速いということになります。この結果に残念そうな子どもたちです。「仕方ないかあ・・・」という表情の子どもがいました。
そこで,「では今の子どもの体力が低いということでいいですね?」と投げかけます。すると「でも」という声が聞こえてきました。

「でも,一番速いのは今で7.5秒,昔は8秒だから今が速いよ」
「一番遅い記録も,今は11秒で,昔は11.2秒。だから,今が速いよ」
「でもさあ,8秒台の人を見ると,今は8人で少なくて,昔は15人で多い」

データを見つめる様々な視点が生まれてきました。視点を変えたら,今の子どもが速いと判断することもできます。

さて,それぞれのデータは当初はバラバラに貼っていました。その状況から,「カードを並べた方が分かりやすい」と声があがります。

子どもたちはカードをどんな風に並べようと思っていたのでしょうか。多くの子どもは,速い順にカードを積み上げることを考えました。しかし,それでけではすぐに「8秒台が15人で多い」ということを読み取ることが難しいことが見えてきました。

すると,両手を平行に動かした後,その上に手をさらに左右に動かすジェスチャーをする子どもの姿が見えました。このジェスチャーの意味を読解します。

「定規の目盛りみたいに,線を入れていってその上に印をつける」

数字の並びを横向きにして,そこに同じ秒数を分類していくイメージです。これがドットプロットの原型になりました。この原型で,ノートに作図をしてみます。

横向きの図を見た子どもからは,次の声があがります。
「さっきよりも分かりやすい」
「昔は8〜9秒に集まっている」
「今のは9〜10秒に集まっている」

データの○印の散らばり具合いに違いがあることも見えてきました。

定規の目盛りをヒントに,新たなデータの表現方法が生まれてきた1時間でした。