「3dLちょっと」のように「ちょっと」がつくとはっきりしないという子どもの声から,dLの下位単位(mL)の存在を,長さの単位(㎝,㎜)と関連付けながら学習していきました。
これまでに子どもたちが学習した水のかさの単位は,「L」「dL」「 mL」の3つです。ここで子どもたちから,「おもしろいことがある」と声があがりました。
「長さの単位(㎝,㎜)は,どっちにも(右に)mがつく」
「水の単位は(L,dL, mL)は,全部(右に)Lがつく」
「mLと㎜は左のmが同じでしょ。そして,こんな単位はないかもしれないけど,mLの100倍がdLなら, ㎜の100倍にもdがついてdmがあるかもしれない」(I男)
I男は,長さと水のかさの単位相互の関係に目を付けたのです。mLと㎜はmが共通する文字として位置付きます。この論理からdmの存在を類推したのです。素晴らしい視点です。
本来は,この発見はもっと上学年の学習で出会わせる場面ですが,2年生でも同様の発見ができるのですね。
さて,I男の発見をきっかけに子どもたちの発見は,さらに深まっていきます。
「水はL,dL, mLで,一番大きくなるとLだけになるでしょ。だから,長さも㎝,㎜だったから,もっと大きくなると右側のmだけが残るんじゃないかな」
「それなら,㎜の10倍が㎝なら, mLの10倍にもcがついてcLがあるかもしれないんじゃないかな」
単位相互の関係から,単位の抜けている部分にも新しい単位が存在するのではないかという類推的な見方がさらに生まれてきました。
2年生でも,単位相互の関係の板書を工夫していくことで,それらの関係に気付くことができることが見えてきました。子どもの学習に壁はありませんね。