算数の授業で1万迄の数の学習を進めています。
先日,数字を式で表す場面がありました。子どもたちは,次のように数字を式で表現していきました。
①3900=300+900 ②5070=5000+70 ③6742=6000+700+40+2
4問目の問題は,「3085」でした。この問題も「式にできる」と子どもたちは考えました。多くの子どもは,「3000+80+5」と立式しました。ところが「他の式もあります」と声があがります。その式は,
「3000+000+80+5」
でした。この式を見た子どもから,「000ってなに?」という声や,「000はいらない」という声があがってきます。
先ずは,「000」の意味を共有していきます。
「百の位の数字は0でしょ。だから,000とかいた」
意味の共有ができると,この「000」が必要か否かの話し合いが始まります。
「000はない数だから,いらないよ」
「000があった方が,3085の百の位の数字が0ということが分かる」
「それなら,あってもなくてもいいのかな?」
両者それぞれの意見が生まれてきました。するとここで,次の声が聞こえてきます。
「000を入れるなら,②の問題も0を入れないといけなくなるよ。5070=5000+000+70+0になる」
「それなら①もだよ。3900=3000+900+0+0になる」
それまでの子どもたちの話し合いの視点を転換する意見の登場です。「000」を式に入れるのであれば,これまでの式表現の仕方も変えなければいけなくなるという視点です。素晴らしい発想です。
この意見に対して,
「それなら,000を入れた方が分かりやすくなる」
「百の位,一の位の数字が0だということがよく分かる」
という声があがります。これまでの式表現を見直したい気持ちになった子どもたちも生まれてきました。すると,今度は新たな視点が生まれてきます。
「もっと大きい位になったら,式に0を入れると大変になるよ」
子どもたちが学習しているのは,まだ千の位迄です。もし,この位がもっと拡大し「1020304050」になったら,「1000000000+000000000+20000000+0000000+・・・」となり,0を書くと大変なってしまいます。0を式に入れる限界を指摘する声です。こちらも素敵な声です。
式における0の存在の必要性を深く考える1時間となりました。