2年「1万までの数」の学習場面です。子どもたちに次のように投げかけます。
「数字列車の数字はいくつでしょうか」
最初に提示したのは次の問題です。
①-5000-6000-□-8000-□-□
子どもたちは,見えている数字の情報をもとに□の中の数字を見つけていきました。
2問目は,先ずは6個の□だけを提示します。そして,子どもたちに求めてほしい場所に磁石(□)を貼ります。
②-○-□-□-★-☆-□-
磁石が貼られていない場所の数字は,この段階ではまだ空欄のままです。そこで,次のように子どもに投げかけます。
「どの場所を先に知りたいですか」
①の問題では,左から順に数字を入れていきました。この経験値から考えると,一番左の○の数字を知りたくなりそうです。ところが,子どもからは別の声があがります。
「2つつながった★-☆を知りたい」
「それが分かれば,全部分かるよ」
2つ連続する数字が分かれば,その他の場所の数字が全て見えてくるという主張です。しかし,この声の意味は一度では全員に伝わりません。時間をかけて共有化していきます。
「1つの□だけ分かっても,だめだよ。もし,1つの□が5000だとします。これだけだと,右の□は,増えていくかもしれないし,減っていくかもしれない」
「増えたとしても,1000増えるのか2000増えるのか,これだけでは決められない」
「2連続で,もし2000-3000なら,1000ずつ増えると決められる。だから,2連続の場所を先に知りたい」
知りたい場所を子どもに尋ねたことで,子どもたちは数の変化のきまりを見つけるために必要な情報数やその位置関係に視点を当てて考えていくことができました。
数の変化を問う問題は,数と計算領域では必ず見かける問題です。機械的な指導になりがちですが,知りたい数値の場所を子どもに尋ねることで,子どもが主体的に数に働きかける瞬間を引き出していくことができるのです。