2年生の子どもたちに,「平仮名は何文字ある
かな」と投げかけます。右の平仮名を大型テレビに投影します。子どもたちに,パッと見た予想の数値を考えさせます。
1081,460,900,950,
3050,6000,3500
予想の数値にズレが生まれました。この予想をしているとき「6000はありえない」と声があがります。その理由を尋ねます。
「平仮名は46文字でしょ。それが17行くらいあったと思うから,6000文字は多過ぎだと思う」
「平仮名は五十音だから,50文字あるんじゃないかな」
子どもたちはパッと見ただけで,投影された文字が五十音の並びであることを見抜いたのです。さらにそこから,五十音の総文字数から全文字数を類推できると考えたのです。鋭い見方が生まれてきました。
子どもの予想にズレが生まれました。子どもたちは,「文字の書いてある紙がほしい」と考えました。そこで,平仮名の書かれたプリントを配布します。子どもたちは,一斉に文字数を数え始めます。
数え始めてしばらくすると,次のような声があがってきました。
「1行分が分かれば,何文字かすぐに分かるね」
「100の固まりを作ると簡単だね」
「それなら1000の固まりを作った方が,もっと簡単だよ」
「1行が50文字あるよ」
「だったら,2行で100文字だね」
「4行なら200文字だ」
2行分で100文字分あることの発見で,子どもの追究が一気に加速します。文字を100文字ずつ線で囲み,100の固まりが見えやすくしていきました。その後,100の固まり,1000の固まりとそれらの数を調べていきました。
最終的に,子どもたちは文字の総数が2351文字であることを突き止めます。
1000が2個で2000
100が3個で 300
10が5個で 50
1が1個で 1
位毎の数を合計していくことで,2351文字であることを見つけることができました。
子どもたちは,100や1000の固まりで数えるのが簡単だと捉えていました。その理由を次のように説明します。
「固まりで数えると,途中でもどこまで数えていたのかすぐに分かる」
「100や1000は切りがよい数だから分かりやすい」
「100ずつ数えると,速く計算ができる」
「前の勉強でひよこの数を調べました。その時も,固まりで数えると速く計算ができました。その勉強と似ています」(R子)
ひよこの数を調べる学習では,10の固まり,100の固まりで数えるよさを学びました。R子はその学習と,今回の学習の見方・考え方が共通している点に気付いたのです。素晴らしい指摘です。
100の固まり,1000の固まりで数えるよさを,実際に2351文字の平仮名を数える体験を通して発見していくことができた1時間でした。