算数の時間,「好きな食べ物調べの結果を棒グラフに表そう」と投げかけます。
事前に調査したポチ君のクラスの右の調査結果を提示します。
この結果を棒グラフに表すのですが,子どもから「ます目,たりる?」と不安そうな声が聞こえてきます。前回使ったグラフ用紙の横幅は,10目盛り分しかありません。右表の種類は18あります。このままでは,グラフ用紙に収めることができません。よい気付きが生まれてきました。
では,どうしたら右のデータをグラフ用紙に収めることができるのでしょうか。「グラフ用紙を横向きにしたらいい」というアイディアも生まれてきましたが,今回は縦向きのままでの解決策を考えさせました。すると,子どもたちがジェスチャーを使って自分の頭に浮かんだ解決策を表現してきます。言いたいことがあると,子どもたちは自然と体全体でその思いを表現してくるようです。
さて,そのジェスチャー中に,両手を下から上に交互に動かす姿が見えました。このジェスチャーの意味をクラス全員で読解していきます。
「1人が12種類もあるから,ここをなんとかしたい」
「1人を集めたらいい」
「1人を上に積んでいったらいい」
1人しかいないデータをまとめて積み上げることで,グラフに収められそうです。このデータの集合を「その他」と呼ぶことをここで教えます。
その他を使うアイディアで,棒グラフ作りを始めます。
ところが,始まってしばらくすると「その他は12人だから一番左?」という声が聞こえてきましした。棒グラフはデータの多い順に左から描くことを前回学習しています。その学びから生まれた疑問です。これも子どもらしい素直な疑問です。
果たして,その他は一番左でいいのでしょうか?
「ラーメンは1つの種類で8人。その他は,いろんな種類で12人」
「1人を全部合わせて12人がその他。元は1人。ラーメンはラーメンで8人」
「だから,一番左はやっぱりラーメンの8人だよ」
その他の中身を分析することで,その他は右端でいいことが見えてきました。子どもの素直な疑問からグラフの新しいステージが見えてきました。