子どもたちに,「9ますビンゴ」をしようと投げかけます。ルールは次の通りです・
① 同じ数字は1回しか使えない ② 1〜99までの数字を記入する
子どもたちは9ますの中に,自由に数字を記入していきます。数字を全員が記入し終えた後,ビンゴの数字を発表します。ただし,その数字は「5×9」のように式で発表します。
すると「えっ?」という声が聞こえてきました。この「えっ?」の声の意味をクラス全体で考えます。
「99はできない」
「99はかけ算の九九に答えがないよ」
「かけ算は9の段までしかないから,81で終わり」
「九九なら,82〜99の数字はない」
私が板書したのはかけ算です。もし,この後も九九の式のみが板書されたら,82以上の数字を記入してはビンゴができなくなります。そこで,ビンゴの数字を修正してもよいことにしました。これで子どもたちも一安心・・・?
すると今度は,「11と13もないダメだよ」という声が聞こえてきます。この声の意味もクラス全体で考えていきます。
「11も13も,九九の答えにないよ」
「あれ,他にあるよ。43もないよ」
「まだあるよ。50,60,80もないよ」
「73も74もないよ」
子どもたちは,右のような数字が九九にはないことを見つけ出します。「まだまだ,九九にはない数があるよ」
「九九にない数はたくさんある」
子どもたちは,81以下の数字にも九九の答えにないもの多数あることを知って,驚きの声があがります。
再度,ビンゴの数を修正するチャンスを作ります。その後,かけ算九九を板書し,ビンゴゲームを楽しみました。
九九の答えは1〜81まであると考えていた子どもたちの数への見方が,ビンゴを通して変わっていった1時間となりました。
本実践は,「板書で見る全単元・全時間の授業 2年下」(東洋館出版社)の山本良和先生の提案を追試したものです。