2021年2月15日月曜日

辺を何本切ればいいの?

 教育開発出版社「アイテム2年」にある右の教材を,


子どもたちに提示します。そして,次のように投げかけます。

「あと何本の辺を切ったら,展開図は完成しますか?」

子どもたちからは,「2本」と切る本数の声が聞こえてきます。それと同時に,「切る場所が違う・・・」という声も聞こえてきました。展開図にするためには,辺の切り方が1パターンではないと考え始めた声です。

どこを切ったら簡単に展開図ができそうかを尋ねます。多くの子


どもが考えていたのは,右図のように,縦の辺2本を切る方法です。この場所で切ると,t字型の展開図ができます。

展開図が出来上がっていくイメージは,2年生にはかなりハードルが高いのです。この部分はていねいに展開していきました。


すると今度は「まだあるよ」と声があがります。「縦があるなら横もある」という声も続きます。1つ目の切り方をもとに,別の切り方のパターンが見えてきたのです。

右のように横の辺2本を切る方法が発表されます。


この場所で切っても,t字型の展開図ができます。先ほどと同じ展開図のようですが,子どもたちが「羽」と名付けた飛び出した2面の位置が,先ほどの展開図よりも1つ左へと移動します。その部分の違いに子どもたちはこだわりました。

これで切り方が2パターン生まれてきました。多くの子どもは,これで満足しています。

ところが,「まだ,あるよ」という声が聞こえてきます。一方,「もうないよ」という声も聞こえてきます。

そこで,「まだ,あるよ」という子どもに,1本だけ


切る辺に色を塗らせます。塗った場所は手前の横の辺です。「それって,さっきと同じだよ」と声があがる一方,図形をよく見直す子どもの姿も見えてきます。

やがて,「わかった」「今度は縦だ」と喜びの声が聞こえてきます。縦切りと横切りの組み合わせです。この切り方でも展開図になることを,ていねいに確認していきました。

これで展開図ができるのであれば,「だったら,横と縦でもできる」


と子どもは考えていきます。右のように切ることで,4つ目の展開図を作ることができます。

2年生は,立体の感覚がまだ十分に育っていない発達段階です。だからこそ子どもたちは,平面の展開図と立体を行き来しながら,4つのパターンの切り方を見つけていくことができました。