2021年2月24日水曜日

分数は時計から

算数の時間,次のように子どもたちに投げかけます。

「時計型ケーキがあります。赤いところは,ケーキ全体のどれだけですか」


 右のようなケーキの赤い部分の表現の仕方を考えさせました。多くの子どもが考えたのが,「4個分の1つ」という表現でした。


 「4個分の1つ」は,ふわっとした表現です。そこで,この言葉の意味を読解していきます。


「部屋が4つあるってことだよ」

「赤いのは,その中の1つ分」

「4つ分は,全部同じ形になっている」


 時計を分割している4つの形が,全て同じ形・大きさだと子どもたちは考えました。そこで,「どうして絶対に同じ大きさといえるのか」を尋ねます。


「だって,全部15分になっている」

「青も15分,紫も15分,緑も15分,赤も15分。だから,4つとも同じ大きさ」

 


 子どもたちが
「4個分の1つ」と表現したのは,4等分した1つ分という意味だったことが,15分という時計の学習と関連付けることで見えてきました。時計型ケーキを題材とすることで,子どもたちの視点は分割された部分の時間(分)を数値化することへと向かいます。数値化することで,4等分されていることが明確になります。


この読解活動をきっかけに,子どもたちの発想はさらに広がっていきます。


「他にも4つに分けた1つ分ができる」

「十字架でなく,×でもできる」

「3つに分けた1つ分もできる」

「それなら,2つに分けた1つ分もできる」

 

 前半の声は,他の分割方法でも「4等分した
1つ分」が作れることへの気付きです。

後半は,他の数でも等分割ができることへの気付きです。


いずれもよい発見です。この時間は,前半の声を子どもたちと確かめていきました。左のような4等分の形を発見することができました。