2021年2月5日金曜日

同じ箱を作ろう!

 2年「はこの形」の導入場面です。子どもたちに,右の箱


を提示し,次のように投げかけます。

「この形と同じ大きさの箱を作ろう」

グループ毎に材料となる面が入った封筒を配布します。封筒に入っている面は,全て使います。また,面を切ったり折ったりすることはできません。

子どもたちは,封筒から材料の面を取りだし,テープでつなげようと活動を開始します。ところが,封筒の中をのぞき込む子ども,面を手に持って「これじゃあできない」と声をあげる子ども・・・,様々な姿が見えてきました。どの子どもたちも,明らかに不満そうな表情を浮かべています。

そこで,「たりない」と声をあげた子どもたちの右の


材料を提示します。材料をじっくりと観察させ,次のように投げかけます。

「『たりない』と言っている人たちの気持ちは分かりますか?」

すると,子どもたちの手が次々とあがってきます。

「もう1枚いるんだよ」

「面は6こいる」

「お向かいさんが2枚ある」

「2×3で6こいるんだよ」

「横,縦,前が2つずついるんだよ。だから6ついるんだよ」

向かい合う面が2枚あり,それが3セットあるので合計6枚の面が必要なことが見えてきました。


面が6枚あるのにもかかわらず,「作れない」と声をあげる子どもたちがいました。右の面が配られた子どもたちです。「作れない」という気持ちを読解


させます。

「直角三角形では作れない」

「形が違うからだめなんだよ」

「同じ形が2枚いるんだよ」

大きな長方形が1枚と直角三角形の組み合わせでは,箱が完成しないことが見えてきました。同じ長方形が2枚セットで必要だということです。


ところが,配られた面が全部長方形なのにも関わらず,「できない」と声をあげる子どもたちがいました。それは右の材料です。ここでも


「できない」気持ちを読解していきます。

「長方形だけど,大きさが違うからできないんだよ」

「2枚を重ねると隙間ができるでしょ。これだけ短いからだめだよ」

「全く同じ大きさの形が2枚いるんだよ」

向かい合う形が単に同じだけではなく,大きさも同じでないと箱が完成できないことが見えてきました。

条件不備の材料に子どもたちを向き合わせることで,この単元で大切な図形の構成要素に気付かせるだけけではなく,自然にそれらについて数値化することもできた1時間となりました。

残り時間は,正しい面の材料を追加し,箱を完成させていきました。