3年生「小数」で,単位換算の問題に取り組んでいました。
26㎜=2.6㎝
3.2L=32dL
2L3dL=2.3L
これらの問題の後に,「7m50㎝=□m」の問題を提示します。問題を見た子どもの中から,「あれ?」「ん?」という呟きが聞こえてきました。なにか違和感を抱いたのです。
ノートに□に入る数値を書かせます。予想通り,子どもの考えは2つに分かれていました。「7.50m」と「7.5m」の2つです。2つの答えを見て,「どっちでもいいんじゃない」という声も聞こえてきます。
そこで,「7.50mと考えた気持ちは分かるかな」と読解活動を行います。
「㎝の長さは50㎝だから,それをそのまま小数のところに『.50』と書いた」
「前の問題は,左の数字がそのまま右の小数に表れたから,これも同じようにする」
それぞれ,論理のある考えです。「だったら,7.50mでいいね」と子どもたちに投げかけます。すると,次の声が生まれてきます。
「10㎝は0.1mでいいんでしょ。だったら,50㎝は10㎝の5倍。それなら,0.1mの5倍も0.5mと書けばいい」
倍概念を使った説明で,子どもたちも納得しました。ところが,この納得が次の疑問を導き出します。
「だったら,7m5㎝は何mになるの?」
子どもらしい素直な疑問です。子どもたちは次のように考えていきました。
「7.0.5mかな?」
「小数点は2つも付かないよ」
「7.05mだよ」
「だって,7m5㎝は7m05㎝ってことでしょ。だから,7.05m」
「それなら,6m1㎝は6m01㎝と考えて,6.01mとなるね」
「長さじゃない単位でもできるね」
7m5㎝を7m05㎝と考えることで,子どもたちは小数の範囲を拡張して考えていくことができました。