子どもたちに「何が見えるかな?」と投げかけ,二等辺三角形をほんの一瞬だけ大型テレビに提示します。しっかりと見ていた子どもからは,次の声があがります。
「三角形が見えた」
「細長い三角形だった」特徴をよく捉えた声です。一方,「見ていなかった」「もう1回見たい」の声もあがります。そこで,もう一度,三角形を大型テレビに提示します。すると,それを見た子どもたちから次の声があがります。
「あれ,さっきのと変わっている」
「さっきのは真っ直ぐで,今のは真っ直ぐじゃない」
ジェスチャー表現で,1回目と2回目に提示された三角形の違いを表現する子どもたちもいます。子どもたちは,ジェスチャー表現を使いながら,次のように三角形の特徴を説明してきます。
「最初のは上の辺の長さが同じだった」
「次のは,上の辺の長さがバラバラだった」
「辺の間の幅(角)も違った。最初のは幅が広くて,後のは幅が狭い」
1回目と2回目の三角形は,辺の長さが異なることや,角の大きさが異なることを子どもたちは説明していきました。しっかりと特徴を捉えています。
そこで,「本当に,みんなの見つけたことは合ってるの?」と念押しします。
「大丈夫」
「でも,もう1回見たい」
少し不安になってきた子どももいます。そこで,再度,2つの三角形を提示します。1回目の三角形を提示すると,定規をテレビに向けて辺の長さを測定する子どもの姿が見えました。そこで,「何をしているの?」と尋ねます。
「右と左の辺の長さが同じか調べている」
「同じ長さだ」
本当に同じ長さなのでしょうか。紙に印刷された三角形を使って,確かめることにしました。すると,子どもたちの予想通り1回目は2本の辺の長さが等しく,2回目はバラバラの長さであることが分かりました。
角の大きさは,2枚の三角形を重ねることで確かめることが出来ました。
その後,別の三角形を提示し「何が見えるかな?」を行いました。ここでも二等辺三角形と一般三角形を提示し,その特徴を調べていきました。
二等辺三角形とそうではない三角形を瞬間的に,しかも対比的に提示することで,各三角形の特徴を捉えることが出来た1時間でした。