2022年1月11日火曜日

ブロックつかみ大会から,1.0か1の議論へ

 3年生「小数」の学習です。子どもたちに「ブロックつかみ大会をしよう」と投げかけます。

ルールは次の通りです。

①利き手とは反対の手でつかむ

②つかむのは5秒以内

③ブロック1個は0.1点

このルール説明の段階で,「10個なら1点」「100個なら10点」という声が子どもから聞こえてきました。これから学習する内容を予測した,すばらしい声です。

ゲームを進めていきます。1回戦は紫チームが1個,青チームが10個のブロックを掴みました。得点化すると,0.1点と1点となります。ところが,青チームの得点に対して,「1.0点じゃないの?」という声が聞こえてきました。

そこで,1.0点と考えた気持ちを読解していきます。

「もし1.2点とったとして,1.0点と書いた方が違いがわかりやすい」

「1.5点と1.0点を比べるとしたら,小数第一位の5と0を見れば違いがわかる」

「ひき算もしやすいね」

「1.5点と1点だと,1点には小数第一位はないから比べにくい」

他の数値と比較する際の計算のしやすさという観点から,「1.0」と表記するよさを子どもたちは読解していきました。一方,「でも,1点でいい」という声も聞こえてきます。その声を,聞いていきます。

「1ぴったりなら,『.0』はいらないよ」

「分数だったら,10/10は1と言っていた」

「1.2点は1点と0.2点となる。でも,1.0点を分数で無理矢理表すとすると,1点と0/10点となる。でも,0/10点という言い方はしなかった。だから『.0』はいらない」

「0はそもそもないということだから,いらないよ」

子どもたちは,「計算をする時には,小数第一位に0があると考える」「書く時は,1点と考える」と場合分けをして表記の仕方を考えていくことが出来ました。すばらしい発想力です。

その後もつかみどり大会を続けていきます。2回戦は,紫チームが1.2点,青チームが1点でした。この結果を見た子どもから,「ここまでの合計は青は2点」と合計を求める声が自然にあがってきました。小数のたし算を行う必然性を子どもが感じたのです。その後は,ゲームが終わる度に,そこまでの合計数も求めていきました。

0.1のいくつ分の計算と,小数のたし算をゲームを通して動じ進行で進めていくことができた1時間となりました。