2022年5月13日金曜日

分数のたしざんとかけざんをつなぐ

 「分数×整数」単元の第1時間目です。次の問題を提示します。

「1分間で4/5Lのジュースを作るマシンがあります。このマシン3分では,何Lのジュースができますか」

式がすぐに見える子どももいましたが,心配なので4ます関係表で式を探す子どももいました。いきなり式を作って安心するのではなく,このように表や図に整理してみるという姿は立派です。

さて,4ます関係表からも,式は「4/5×3」になることが見えてきました。では,この計算はどのように進めたらよいのでしょうか。

先ず,子どもたちから生まれてきたのは既習のたしざんを使う考えでした。

「4/5+4/5+4/5=12/5」

これは全員納得です。ここで,次の声があがります。

「分子の4×3を計算して12とすればいい」

分子だけを取り出して,形式的に考えたのかもしれません。そこで,「この計算で本当にいいのかな?」と投げかけます。ここで生まれてきたのが,次の説明です。

「さっきの分数のたしざんでは,分子の4を4+4+4で計算した。4が3個分でしょ。だから,4×3でいいんだよ」

分数のたしざんとつなげた説明です。これも素晴らしい説明です。

また,図を使って,分子が4×3を説明する声も生まれてきました。

分数のかけ算では,数字だけの形式的な計算になりがちです。大切なことは,単に答えを求めるのではなく,その意味を考えて説明していくことです。

その後は,他の数値でも子どもたちが考えた方法が使えるのかを実験しました。最初の問題では,4/5を小数に直して計算する子どももいました。これも既習を生かしたよい考えです。しかし,2問目は「2/3×4」の計算なので,小数に置き換える方法は使えません。このことから,子どもたちは分数の便利さにも気付くことができました。