2022年5月24日火曜日

分数×整数が使える

 子どもたちに次の問題を提示します。

「1分で4/5Lのお茶を作るマシンがあります。2/3分では何Lのお茶を作ることができますか」

4ます関係表を使って,式を確認します。「4/5×2/3」で立式できることが見えてきました。ここで,次のように子どもたちに投げかけます。

「この計算,どうやって計算したらいいのかなあ?」

すると,子どもたちから次の声が聞こえてきました。

「分数×整数と同じように考えたらいい」

「分数×整数は分子をかけた」

「今度も分子はそのままかけて,分母のそのままかけたらいい」

分数×整数の計算方法を活用し,分数×分数も同じように考えたのです。よい考え方が生まれてきました。

子どもたちが考えた計算方法で実験すると,先の計算は8/15Lと答えが出ます。ところがここで,「でも,それって合ってるのかなあ?」と声があがります。この声に続いて,「だったら図を描いたらいい」という声もします。そこで,確認することにします。

4/5Lの図を描くところまでは,順調でした。ところが,その先が進まずに困っている子どもたちの姿が見えました。そこで,彼らの悩みを先ずは共有します。

「4/5Lはできたけど,そこをどうやって2/3にするのかが分からない」

4/5Lの図をどのように2/3倍にするのかで,悩んでいたのです。分数の乗除場面を図で表現することが,分数学習の最大の難問です。計算はできても,作図ができない子どももいます。これは,分数の意味が本当はよく分かっていないことになります。

どのように2/3倍にするのかを,考えていきます。

「(左右の)端から端までで1分」

「そこを縦に3つに分けます」

「左端は1/3分の場所」

この説明で,多くの子どもから「分かった!」と納得の声が聞こえてました。

「真ん中の図のところまでだと,2/3分になる」

「右端まで行くと,3/3分になる」

「だから緑で塗られた2/3分の部屋は,8個ある」

「1L全部の部屋は15個あるから,8/15Lになる」

1/3分が2つ分で2/3分なる見方を理解するのに時間はかかりましたが,最後は全員が納得しました。

分母同士・分子同士をかけ算する方法でも,正しく計算が出来ることが図からも見えてきました。この後は,この方法の妥当性を他の問題を通して確かめていきました。