2022年5月25日水曜日

分数を図で表すのは難しい!

 分数×分数の学習場面です。次の問題を提示します。

「縦8/9m,横3/4mの長方形の面積を求めましょう」

計算で答えを求めること自体は,子どもたちには簡単です。そこで,「図で答えが本当に正しいのか確かめよう」と投げかけます。

分数の作図自体は,これまでにも何回も経験しています。ところが,しばらくすると子どもたちの鉛筆が止まる姿が目に入りました。右図まで描いて止まっているのです。

そこで「どこを困っているのか考えよう」と投げかけます。

「緑のますが,縦に8個・横に3個あるから,8×3で24個」

「だから答えは24/24㎡・・・」

図をこのまま見たら「24/24㎡」になる気持ちを共有します。しかし,なんとなく図から見えたこの答えに違和感を多くの子どもが抱いていました。しかし,その原因が明確に見えていない子どもたちも多数いました。

そこで,この違和感の原因を追及していきます。

「全体の図を描いたら分かるよ」

「8/9mは本当はもう1つますが増えて1mになる」

「3/4mも,もう1つますが増えて1mになる」

「だから,縦1m・横1mの全体がもとになるから,全体は9×4=36個」

「24個/全体で考えるから,24/36㎡になる」

本時の問題は,量分数を扱っています。従って,その基準量は1mです。この意識が飛んでしまうと,分母の数が見えなくなってしまいます。

今回は面積の問題を作図することを通して,分数の基準量を再認識することもできました。