2022年5月14日土曜日

長方形の周りの長さは同じ?

子どもたちに,「長方形の周りの長さは何㎝?」と投げかけ,長方形を板書します。しかし,これだけでは分かりません。子どもからは「縦の長さを教えてほしい」などの声が聞こえてきます。そこで,長方形の中に正方形を1つ加えます。しかし,これだけでもまだ長さは分かりません。そこで,右のように一部の長さを知らせます。

しかし,まだこれだけでは情報不足のようです。そこで,a㎝の部分の長さなら教えられることを伝えます。子どもからは,「a㎝が5㎝なら計算ができそうだ」と声があがります。そこで,a㎝=5㎝で考えることにしました。

これで,少しずつ長方形の部分の長さが見えてきます。横の辺のa㎝の左の辺の長さは「12ー5=7㎝」と分かります。また,反対の右側も「8ー5=3㎝」と分かります。真ん中は正方形なので,長方形の縦の長さは5㎝です。従って,周りの長さは,「(7+5+3+5)×2=20×2=40㎝」と求められました。

この求め方が分かれば,aが他の長さになっても計算ができそうです。そこで,a㎝=7㎝の場合を計算することにしました。

しばらくすると,「同じだ」「えっ?」「なんで」という声が聞こえてきました。この声の意味を共有していきます。

「答えが40㎝になった」

「さっきと同じ長さになったから」

「これは,aが何㎝になっても40㎝になるんだよ」

子どもたちは,aがどんな数値になっても,周りの長さが40㎝なる理由に気が付ていきました。

「aが長くなると,こっちは短くなる。逆に,aが短くなると,こっちは長くなる。でも,12㎝は変わらない。8㎝も同じことだから,40㎝になる」

「結局,aと縦の長さはいつも同じなんだから,40㎝になる」

身振り手振りで,一生懸命に頭に浮かんだことを伝える姿が見られました。このような必死の思いが生まれてくるのは,言いたいことが溜まっている証拠ですね。

この後,これまでに学習した文字式で説明できるのかを考えました。周りの長さを求める式を文字式で表現すると,次のようになります。

(12-a+a+8ーa+a)×2

この式を見た子どもから,次の声が生まれます。

「ーaをして+aをしたら,結局プラス・マイマスしているから,aは消える」

「だったら,もう一つの場所のaも消える」

「だから(12+8)×2だから,20×2=40になるんだ」

文字式を使って,aがどんな数でも40㎝になることを証明することが授業でした。

この授業アイディアは,田中博史先生の講座で教えていただいたものをアレンジして授業を行ってみました。