子どもたちに次の問題を提示します。
「アスカ,カノ,ノリコ,ココアの4人でババ抜きをします。ジョーカーを含めたトランプ53枚を,1人1枚ずつ矢印の順に配り,全部のカードを配ったところで,手元のカードをチェックし,同じ数字のカードがあったら,2枚セットで捨てました。すると手元に残っている枚数のカードは,下のようになりました。誰からカードを配り始めましたか。
アスカ(7枚)→カノ(6枚)→ノリコ(9枚)→ココア(9枚)→」
問題文の長さに,子どもたちは先ずは驚いていました。その後,「アスカ(7枚)」「カノ(6枚)」などの情報から,「7+2+2+・・・」などの計算を始めました。しかし,これではうまくいきません。
しばらくすると,次の声が聞こえてきました。
「トランプは52枚だね」
「ジョーカーを入れると53枚になる」
「トランプを4人で分けるということだね」
「それなら53÷4で13あまり1になる」
53枚を4等分することで,解決の糸口が見えるのでは亡いかと子どもたちは考えました。商の13は,1人分のトランプの枚数,あまりの1は誰か1人だけトランプが1枚多くなることを,わり算の式から見出していきました。
これで「わかった」と声をあげる子どもが出てきました。一方,まだ解決策が見えない子どももいました。そこで,ヒントを出してもらいます。
「もし,アスカから配ったとする。アスカ,カノ,ノリコ,アスカ,カノ,ノリコ,ココアと配っていって,最後の1枚はアスカになる。だからアスカが14枚」
「アスカが14枚なら,2枚ずつ引いても7枚にはならない」
「カノが14枚なら,2枚ずつ引いたら6枚になるからカノ」
「捨てた数は2枚セットだから,必ず偶数になる」
「奇数枚もらった人が,偶数枚捨てても,残りは奇数。偶数枚もらった人が,偶数枚捨てたら偶数枚にしかならない」
「だから,今偶数枚のカノしかいない」
実は,この学習は3年生の「あまりのあるわり算」の発展問題です。問題文のあまりの強いウ分に頭を悩ませていた子どもたちですが,よーく考えたら3年生の学習で解くことができる内容だったのです。
この問題も「5分で論理的思考力ドリル」(学研)から出題しています。