子どもたちに,次の問題を提示します。
「丸の中に,1〜9の数を1つずつ入れます。丸を結ぶとできる正方形が 6つ隠れています。正方形の角にある4つの丸の数をたすと,どの正方形も合計は20です。真ん中の数はいくつですか」
最初に聞こえてきたのは,「正方形は5つしかない」という声でした。問題文前半に着目したのです。そこで,正方形が6つ本当にあるのかを確認します。赤の磁石が置かれた斜めの正方形を見落としている子どもが,たくさんいました。これを含めると,正方形は6つになります。
その後,自由に取り組ませます。子どもたちは,丸の中に自由に数字を入れて試していきます。しかし,これではうまくいきません。やがて,「力業?」「どうやるの?」と困った心理状況を表す声が聞こえてきました。
そこで,解決策をクラス全員で考えていきます。
「1〜9が入るから,丸9個の数字の合計は,1+2+3+・・・+9で45になる」
「青の磁石が角にある一番大きい正方形の角の合計は20」
「赤の磁石があるダイヤ型の磁石の合計も20」
ここまでの声で,「あ,そうことか」と解決策が見えてきた子どもが,一気に増えました。
「青と赤の正方形は丸がだぶらない」
「だから,真ん中の丸だけ残る」
「45から赤の20と青の20を引けば,5だと分かる」
「小さい正方形は,丸が重なっているから使えない」
当初の子どもたちは,全ての丸に数字を当てはめようとしていました。しかし,この問題では真ん中の丸の数字だけが分かればいいのです。従って,上記のような考え方で求めることができるのです。
本問題は,「5分で論理的思考ドリル」(学研)から引用しています。