「20年前と今の好きな給食アンケートの帯グラフがあります」
このように子どもたちに投げかけ,2本の帯グラフを提示します。これだけで,子どもたちから様々な声が聞こえてきました。
「カレーが増えてる」
「20年前はカレーが美味しくなかったの?」
「夏カレーとかのカレーのバリエーションが増えたんじゃないの?」
「ラーメンも増えた?」
「ラーメンは同じだよ。でも,順位が違うね」
「でも,全体の人数が違ったら好きな人数も違うかも」
本時で引き出したい声が,かなりこの段階で生まれてきました。
その後,「ラーメンが好きな人数は何人?」の問題に取り組みます。百分率は,どちらも20%です。すると,子どもたちから次の声があがってきます。
「全校の人数が違うから,今の方が少ない」
「もとの数が少ない方が,人数が多くなるんじゃない?」
「そうだね」
「えっ?」
「???」
「もとの人数が少ない」→「ラーメン好きな人数は多くなる」の声が生まれてから,子どもたちは混乱してきました。よく分からなくなってきたようです。
この混乱が,新たな発想を引き出します。
「例えば,人数が多い方が大きい箱だとします。この中の20%はここまでです。人数が少ない方は箱が小さくなります。この中の20%はここまでです。だから,小さい箱の方が,20%は小さくなります」
「20%を線で結ぶと,今の箱の方が少ないのが分かります」
「100人の50%は50人。10人の50%は5人。全体の人数が少ない方が50%の人数は少なくなる」
言葉だけの話し合いでははっきりとしなかったことが,具体的な箱が見えてきたことで,はっきりとしてきました。
子どもの困り感をキャッチし,その困り感を様々なアプローチで乗り越えていくことができた時間でした。