2025年1月21日火曜日

もとの数が少なくなると大きくなる?

 「20年前と今の好きな給食アンケートの帯グラフがあります」

このように子どもたちに投げかけ,2本の帯グラフを提示します。これだけで,子どもたちから様々な声が聞こえてきました。

「カレーが増えてる」

「20年前はカレーが美味しくなかったの?」

「夏カレーとかのカレーのバリエーションが増えたんじゃないの?」

「ラーメンも増えた?」

「ラーメンは同じだよ。でも,順位が違うね」

「でも,全体の人数が違ったら好きな人数も違うかも」

本時で引き出したい声が,かなりこの段階で生まれてきました。

その後,「ラーメンが好きな人数は何人?」の問題に取り組みます。百分率は,どちらも20%です。すると,子どもたちから次の声があがってきます。

「全校の人数が違うから,今の方が少ない」

「もとの数が少ない方が,人数が多くなるんじゃない?」

「そうだね」

「えっ?」

「???」

「もとの人数が少ない」→「ラーメン好きな人数は多くなる」の声が生まれてから,子どもたちは混乱してきました。よく分からなくなってきたようです。

この混乱が,新たな発想を引き出します。

「例えば,人数が多い方が大きい箱だとします。この中の20%はここまでです。人数が少ない方は箱が小さくなります。この中の20%はここまでです。だから,小さい箱の方が,20%は小さくなります」

「20%を線で結ぶと,今の箱の方が少ないのが分かります」

「100人の50%は50人。10人の50%は5人。全体の人数が少ない方が50%の人数は少なくなる」

言葉だけの話し合いでははっきりとしなかったことが,具体的な箱が見えてきたことで,はっきりとしてきました。

子どもの困り感をキャッチし,その困り感を様々なアプローチで乗り越えていくことができた時間でした。