「ミシンの上糸をできるだけ少ない回数で巻ける駒巻きはどれですか」
子どもたちに,このように尋ねます。提示した形は,円・正方形・正三角形の3種類です。正方形・正三角形の周りの長さは,測定できます。それぞれ8㎝,8.4㎝でした。問題は円です。曲線のある長さを,どうやったら測定できるのかが子どもたちの疑問になりました。
「定規を曲げる」
「コンパスを使う?」
「昨日の時計の勉強を使ったら? 1時間毎につなぐと正十二角形で,円に近かったから,その長さを調べる」
「もっと角の数を増やしたら正確になる」
「でもカクカクするねえ」
「円を転がしたら正確じゃない?」
「でも,滑るかも」
時計の学習とつなげた見方が生まれてきたのは,すごいことでした。
いくつかのアイディアが生まれてきました。そこで,図形を配布し円周の長さを調べます。子どもたちの調べ方は,多岐にわたりました。
「髪の毛を円の周りに置く」「チェーンを置く」「あやとりのひもを置く」「紙を置く」「円を立てて転がす」「円を寝かせて転がす」「正十六角形の辺の長さを調べる」
いずれの方法でも,子どもたちの測定結果は一致しませんでした。
すると「平均を出したら」の声が生まれます。平均値は約7.9㎝です。しかし,やはり正確ではありません。どうしたら正確な円周の長さが測定できるのでしょうか?
「転がし方が問題かな?」
「もっと大きい円にしたら,正確にできるかも」
こんなアイディアが生まれ,授業が終わりました。次回は,このもやもやからスタートです。