2026年1月29日木曜日

塵も積もれば山となる

 「丸子さんは昨年0.5haの畑を耕しました。今年はさらにその半分の0.25haを耕しました。来年はさらにその半分の広さの0.125ha,再来年はさらにその半分の広さというように,毎年必ず前年の半分ずつさらに広げて耕して畑を広げていきます。丸子さんの畑は,何十年も先にはどのくらいの広さになっていますか」

この問題に出会った子どもから聞こえてきたのは,「大きくなる」「小さくなる」の真逆の声でした。そこで,この声の意味を読解します。

「増える面積はだんだん小さくなる」

「でも,全部の面積は増えていく」

面積の増え方は「小さくなる」けれど,合計の面積は「大きくなる」というのが子どもの思いでした。では,子どもたちは面積の合計値をどのように考えているのでしょうか?

頭の中のイメージをノートに表現してもらいました。その中の典型的な例が,板書中央にある図です。

子どもたちが分かりやすいと考えたのが右端の図でした。その理由を次のように説明しました。

「これは分かりやすい」

「パズルみたいだ」

「隙間に入っていくから分かりやすい」

「無限ループになるね」

「千年後とかに1haを越えるね」

「えー,超えないよ」

合計の面積が1haを超えるのか超えないのか,ズレが生まれてきました。

「増える面積は半分になって小さくなっていくから,1haにはならない」

「どんどん小さくなって,点みたいになるから1haには届かない」

「隙間にどんどん面積が増えていくけど,小さく増えるだけで1haにはならない」

「でもさあ,塵も積もれば山となるって言うから,いつかは1haを超えるよ」

「たしかに・・・」

「塵も積もれば山となる」の諺の登場で,1haを超えないと考えていた子どもの考えに揺れが生まれてきました。ところがここで,新たな声が生まれてきます。

「反比例に似ているよ。反比例のグラフは,0にどんどん近づくけど,0にはくっつかない。これも,1haには近づくけど,1haにはならない」

「残った隙間を見てください。隙間が半分埋まって,そのまた半分と埋まっていく。でも,いつまでたっても隙間は必ず残る」

「そうか。分かりやすい。だから隙間が残るから1haにはならない」

反比例のグラフとの関連付けと,増える面積ではなく残る隙間に視点を置き換えることで,1haを越えることがないことが見えてきました。しかし,「調べてみたい」と声があがります。最後は,ノートに畑を耕す絵を描いて実験します。どれだけ面積を半分ずつ増やしても1haを超えないことが見えてきました。

「塵も積もれば山となる」で盛り上がった1時間でした。