2020年11月6日金曜日

8の段で見つけたきまり!

算数のかけ算の学習も大詰めです。子どもたちに次の問題を提示します。

「8の段のかけ算の合体かけ算は,本当に4種類なのかな?」


 6の段のかけ算を学習したとき,6×2の答えは,1×2+5×2の2つの式を合体することでも求められることを発見しました。この合体の式は,他にも2×2+4×2,3×3+3×3の合計3種類があります。7の段も合体かけ算で答えを求めると,3種類の式で答えを求めることができます。


 ここまでの結果をもとに,子どもたちは次のように考えました。

「8の段は4種類の合体の式がある」

「2,4,6,8の段の2とびのときに,種類数が増えるんだ」

「1,3,5,7,9の段は,前の段と同じ種類だ」


 この時間は,前述の子どもたちの予想が正しいのかを確かめる学習です。式だけでは合体かけ算のイメージがうまく頭に浮かびません。8個のチョコレートを2色に塗り分けることで,イメージ化を図りました。

 その結果,8の段のかけ算は子どもたちの予想通りに4種類あることが分かりました。予想が当たった子どもたちは自信満々です。


 それと同時に,「おもしろいことがあります」と声があがります。

「上の段のかけられる数が1,2,3,4と1ずつ増えている」

「下の段のかけられる数は,7,6,5,4と1ずつ減っている」

「それって,6の段も同じになっている」

「7の段も同じだよ。すごいね」

 


 子どもたちは8の段で見つけた合体かけ算の秘密が,他の段にも当てはまるのかと場面を拡張して考えていきました。こんな考え方ができる姿も素敵ですね。

2020年11月2日月曜日

繰り返しが遠い?

 2年生「かけ算」学習です。この時間は7の段のかけ算を作ることから授業がスタートしました。

7×1=7

7×2=14

7×3=21

と順に7の段のかけ算の答えを確認していきます。これまで子どもたちは,かけ算は答えの一の位が繰り返すことを発見しています。しかも,一の位に0が登場するところまでが繰り返しの1セット目であることも発見しています。

7×3までの計算が終わったところで,次の声が聞こえてきました。

「一の位が,また繰り返すね」

「でも,0はこないんじゃないかな?」

「7×10なら答えの一の位に0がくるよ」

子どもたちは,7の段のかけ算は一の位の数字の繰り返しがなかなかこないのではないかと考えたのです。しかし,これは実際に答えを順に確かめていかないとはっきりとしません。そこで,その後の7の段のかけ算の答えを導き出していきます。

7×4=28

7×5=35

7×6=42

7×7=49

7×8=56

7×9=63

かけ算九九の範囲では,とうとう答えの一の位に0はきません。さらにかけ算を続けていきます。

7×10=70

ようやく0の登場です。しかし,本当に答えの一の位が繰り返すのかは,もう少しかけ算を書き出してみないと確認できません。

7×11=77

7×12=84

7×11から,答えの一の位が繰り返し始めました。一の位の0までが,随分遠いのが7の段でした。すると,今度は次の声が聞こえてきます。

「7は半分にできない数だから,答えの一の位の0まで遠い」

7は整数の範囲で半分にすることはできません。そこで,これまでに学習した他の段も答えの一の位に0が登場するかけ算を確認します。

3×10=30

5×2=10

3の段も,答えの一の位に0が来るまでが遠いことが分かりました。一方,5×2に対しては,「5は半分にできないけど,ちょっとすっきりした数だからだ」

「お金にも五円玉があるからね」

今度は,半分にできる数の答えに一の位が初めて登場するかけ算を調べます。

6×5=30

2×5=20

4×5=20

「半分の数は,かける数が5でリセットする」

(かけられる数が)半分の数は,かける数が5でリセットすることが見えてきました。

かけられる数が偶数か奇数かによって,答えの一の位の繰り返しのパターンが異なることを発見した素晴らしい子どもたちです。



2020年10月30日金曜日

7の段は4パターン?

 2年生「かけ算」の学習です。次の問題を子どもたちに提示します。

「7の段のかけ算も,2つのかけ算の合体でできるかな」

6の段のかけ算は,右のような2つのかけ算を合体することで答えを見つけることができました。

この結果を,次のように子どもたちに確認します。

「6の段のかけ算は,3つのパターンの式があるんだね」

すると,次の声が聞こえてきました。

「それじゃあ,7の段は4つのパターン?」

この声を時間をかけてクラス全体で共有していきます。

「6の段から7の段は1増えるでしょ。だから,パターンの数も1増える」

「今までも,増えたら,もう一つが増えるというのがあったから,きっと4つのパターンになる」

「9月3日の虫食い算で,似た問題があったよ。虫食いの数字が4の時は式が4つできた。虫食いの数字が1つ増えて5になったら,式も1つ増えて5になったよ」

「本当だ!」

2年生でもこれまでの学習では,片方が増えればもう片方も増えるという経験を多くしています。その経験値が,上記のような子どもたちの発想を引き出すきっかけとなったのです。また,具体的な9月3日の学びと関連付けられる見方も,驚くべき発想力です。

さて,子どもたちが考えた変化のきまりは本当でしょうか。この段階では,子どもたちはまだ半信半疑です。そこで,7×2が何パターンの式にできるのかを実験します。

その結果は,残念ながら4パターンではなく3パターンでした。すると今度は別の見方が生まれてきます。

「2,4,6,8の段だけ変わるんじゃない?」

「半分にできる段だけ変わるんじゃないかな」

「1,3,5,7,9の段は変わらないんだよ。前の段のままだね」

子どもたちは,段数が偶数になると式のパターンが1つ増えると考えたのです。最初のきまりが当てはまらないことが分かっても,そこで諦めるのではなく,新たなきまりを探そうとする前向きな姿が素敵な子どもたちです。

さて,この新たな予想についても,子どもの考えは半信半疑でした。

新しいかけ段の学習を,式の組み合わせ数の変化で考えるという新たな追求目標ができました。





2020年10月28日水曜日

1セットは6個? 1セットは2個?

 2年生「かけ算」6の段の導入場面です。子どもたちに次のように投げかけます。

「チョコは全部で何個でしょう」


次の画像を提示します。子どもたちは,見えたチョコの数をノートに書いていきます。多くの子どものノートには,6×2という式が書かれていました。

すると,ここでY子が「よくわからないところがあった」と呟きます。

「青いチョコは2個あったでしょ。でも,上の茶色のチョコが何個かよく分からなかった」

この声をきっかけに,子どもたちが動き出します。

「茶色のチョコは4個あったよ」

「だから,1セットは6個あるよ」

「1セットは2個だよ」

「えーっ?どういうこと?」

「1セット」という主語に続く言葉が2種類生まれてきました。それぞれの言葉の意味を,子どもたちが説明します。しかし,すぐにはその違いを理解できない子どももいました。すると今度は,次の声が生まれてきます。

「だったら,青と茶色のチョコを別々に式にしたらいいよ」

「茶色は4×2で8個」

「青は2×2で4個」

「2つを合わせたら12個になるよ」

「1つの式にできるよ。6×2だよ」

「4の段と2の段を合わせたら6の段になる」

「たし算の筆算みたいだね」

「それなら,5×2と1×2を合わせてもできるよ」

6×2の答えを求めるには,既習のかけ算を合体すれば答えを見つけることができそうだということが分かりました。一方,「まだ,他のかけ算はわかんないよ」という声も聞こえてきます。子どもらしい声です。

そこで,6の段の他のかけ算も既習のかけ算を合体することで答えを見つけることができるのかを実験していきます。

その結果,6の段のどのかけ算も既習のかけ算を合体することで答えを見つけることができることが見えてきました。かけ算の学習は,中盤を過ぎると中だるみになる傾向があります。しかし,今回のように6の段を既習の2つのかけ算の組み合わせでも構成することができるという新しい見方を引き出すことで,かけ算学習も再び活性化していきます。

今回は,提示するチョコの色を2つに塗り分けた上で,「チョコ全部の数は何個?」と尋ねることで,6の段で全体を捉える見方と,色に応じて部分と部分で捉える見方の2つを引き出すことができました。この学習では,「1セットは6個」「1セットは2個」という子どもの声がきっかけとなり,この目的へと子どもたち自身の手で進んでいくことができました。

もちろん,これまでに子どもたちが見つけた「かけられる数ずつ答えが増える」というきまりでも,6の段の答えを見つけることもできます。このきまりも,授業の中で確認していきました。

さて,6の段のかけ算が完成したところで,「でも,他の段も筆算のように合体してできるのかなあ」という不安の声が聞こえてきました。多くの子どもは,他の段も合体でできそうだと考えていますが,不安そうな子どももいます。このような子どもたちに素直な気持ちのズレの存在が,他の段のかけ算を学習していく目的意識にもつながるのです。





2020年10月26日月曜日

愉しい算数授業をつくる研修会,間もなく満席!

以前お知らせしました「愉しい算数授業のつくる研修会」,間もなく満席です。参加を検討されている先生は,お早めに申し込みください。

期日:2020年11月14日(土)12時30分~16時

会場:大阪府池田市立池田小学校

後援:池田市教育委員会

詳細は,以下の大会チラシをご覧ください。申し込みは以下のアドレスからお願いいたします。

morimoriaki504-tanosiisansuu@yahoo.co.jp




2020年10月24日土曜日

7×4,4×7?

 2年生に次の問題を提示します。

「7つの袋があります。袋の中には,4個ずつ飴が入っています。飴は全部で何個ありますか」

問題を書いている途中から,「かけ算だね」「分かった。今日は7の段だ」「7×4だね」という声が聞こえてきます。予想通りの声です。

子どもから生まれた式は,次の2通りです。

「7×4」

「4×7」

多くの子どもは,7×4だと考えました。今日の学習はかけ算7の段だと勝手に思い込んでいる子どももいました。7×4だと考える子どもが,その理由を説明します。

「だって,問題が7が最初で,次に4が来るから7×4だよ」

「式は問題の順番通りだから,7×4だよ」

多くの子どもたちは,問題文の数字の順にその根拠を求めていました。一方,4×7だと考える子どもたちは,異なる理由を発表します。

「7×4は7が4個でしょ。4×7は4が7個でしょ。だから4×7だよ」

とてもよい説明が生まれてきました。しかし,まだ全員は納得しません。別の説明が続きます。

「知りたいことは,飴の数でしょ。だから4×7だよ」

「袋に飴が4個入っているってことでしょ。だから4×7」

この時点では,子どもたちの考えはまだ分かれています。すると,次の声があがってきます。

「図を描くと分かるよ。このお話の絵は袋に飴が4個ある。その袋が7個ある絵になる」

絵が完成すると,「あっ,そういうことか」という納得の声があがります。一方,同じ絵を見ているのに,「それなら7×4でしょ」と考える子どももいます。なかなか子ども全員が納得するところまではいきません。

すると,次の声が聞こえてきます。

「もし,7×4だとすると別の図になるよ」

1つの袋の中に7個ずつ飴が入った図が4袋完成します。7×4の図を見ることで,それまで「でも,7×4だよ」と言っていた子どもたちも納得しました。

4×7の図だけでは納得しなかった子どもを変えたのは,彼らが正しいと信じていた7×4の図が目の前に現れたことでした。言葉だけではなかなか子どもの考えは変わりません。特に低学年では,言葉と図がセットで議論されることが,クラス全員の子どもの納得へとつなげるために必要であることが見えてきます。





2020年10月22日木曜日

0でリセット!(かけ算4の段)

 2年生「かけ算」の学習です。次の問題を提示します。

「車のおもちゃを作ります。1台に4個ずつタイヤをつけます。タイヤは全部で何個ですか」

この問題文は,板書シリーズ(東洋館出版社)2年下の山本良和先生の実践を引用しています。

問題文を見た子どもから,声があがります。

「車が何台かわからないと,タイヤの数がわからない」

「かけ算になるよね」

「例えば,車が2台なら4×2で8個だね」

「例えば」を使うことで,具体的な問題場面をイメージする声もあがってきました。そこで,車が1台の場合,2台の場合と順にタイヤの数を求めていきます。

3台目までタイヤの数が求められたとき,子どもたちが「おもしろいことがあります」と声をあげてきます。

「4ずつ増えている」

「だって,2の段は2ずつ,5の段は5ずつ,3の段は3ずつ増えたでしょ。だから,4の段も4ずつ増えていくんだよ」

これまでのかけ算の学習で学んだことをもとに,答えの増え方がかけられる数と同じ数だけ増え続けることが説明できました。

さらに,次の声もあがってきます。

「一の位が繰り返すんじゃないかな」

「4,8,2だから,この後に数字がいくつか続いて繰り返すよ」

「絶対に繰り返すよ。だって,今までも0が来たら繰り返してたよ」

「5の段は5,0,5,0だった。2の段は,2,4,6,8,0,2,4だった。3の段も3,6,9,2,5,8,1,4,7,0,3だった。だから,0がきたら繰り返す」

「0が来たら一の位がリセットされるんだ」

答えの一の位が繰り返すことを,ここでも既習のかけ算の一の位の繰り返しのきまりから類推しています。素晴らしい見方・考え方が生まれてきました。「0でリセット」という説明も,子どもらしくて素敵ですね。

しかし,4の段も一の位が繰り返すのかは,この段階ではまだ確かめられていません。子どもの中には,まだ不安そうな表情を浮かべる子もいます。そこで,4台目以降のタイヤの数をかけ算で求めていきます。

その結果,子どもたちの予想通りに一の位が繰り返すこと,さらには0でリセットされることが確かめられました。すると,さらに子どもたちは考えを拡張していきます。

「きっと,他の段も0でリセットされるね」

「でも,10の段は違うよね」

「そうかなあ。10,20,30,40だから,0が繰り返すってことじゃない?」

既習のかけ算学習で見つけた決まりを,目の前の新しいかけ算に類推的に当てはめて考えようとする姿は,深い学びそのものです。しかも,類推的に考えることを子ども自らが進んで行っていけることに価値があるのです。素晴らしい子どもたちです。