子どもたちに,次のように投げかけます。
「ウサギ王国の国旗を作ります。どんな塗り方ができますか」
黄色・緑・紫の色を使います。耳と顔の部分を分けて塗ります。この場合の塗り方を考えさせます。
「黄・緑」「黄・紫」「緑・黄」「緑・紫」「紫・緑」「紫・黄」の6通りの塗り方があることが分かりました。この塗り方を考える場面で,「緑・紫」「紫・緑」を同じ塗り方とするか,違う塗り方とするのかが話題となりました。子どもたちは,「耳と顔は違うから,別々に数える」と考えました。ただし,単に2つの輪をつなげる場合なら,一緒に考えてもよいという声があがります。子どもたちは,問題に応じて塗り方を使い分ければいいと考えました。場合分けして考えるのは,よい見方です。
次に,左右の耳は別の色で塗り分けることに条件を変更します。さらに,赤を加えて5色を使うことに変更します。
子どもたちは,樹形図を使って国旗の塗り方を書き出していきます。この活動では,
「左耳が黄・右耳が緑と左耳が緑・右耳が黄は同じなの?」
と疑問の声があがりました。しかし,これに対しては次の声があがります。
「これも別々でしょ。同じにしたら,ウサギを後ろから見ていることになるよ」
塗り方と向きの関係を,明確にしていくことができました。
その後,右耳を黄に固定した場合の塗り方が6色あることから,塗り方の総数は,6×4で求められることが分かりました。
さて,この式による塗り方の総数の求め方は,他の場合でも使えるのでしょうか。塗る色の種類を5色に増やして実験します。
右耳を黄に固定した場合,塗り方は12通りあります。固定する色は,他にも緑,紫,赤,白の場合があります。従って,塗り方の総数は12×5で60通りあることが分かりました。
ウサギ王国の旗の塗り方を考える活動を通して,樹形図の効果的な活用の仕方を見つけていくことができました。