2023年12月16日土曜日

独りぼっちではありません!

 昨日は大阪の公立学校の2年生にかけ算の授業を行いました。

「十の位が隠れた九九カードがあります。何の段か分かるかな」

この問題文で授業はスタートします。ピンクのカードは,上下で見方を変換すると「2の段と8の段」「4の段と6の段」に見えます。緑のカードも同様に「1の段と9の段」「3の段と7の段」に見えます。同じカードなのに複数の九九の段が見えてきます。一方,黄色のカードだけは,「5の段」しか見えません。この状況を,子どもたちは「5の段は独りぼっち」と表現してきました。

私は,ここまで子どもたちが辿り着けば十分でした。ところが,ここから子どもの追求のエンジンに一気に火が点きました。

「5の段は独りぼっちじゃないよ。10の段が仲間だよ」

「10の段は10,20,30…だから違うよ」

「あ!15の段だが仲間だよ」

「15,30,45…だから,5の段の仲間だ」

「まだ仲間があるよ。35の段も仲間だ」

「45の段も仲間だ」

「55の段も仲間だ」

子どもたちは,何とかして独りぼっちの5の段の仲間を見つけていこうとしたのです。このあくなき追及姿勢が最高でした。さらに,子どもの追求は続きます。

「10の段にも仲間がいるよ」

「20の段は仲間だ」

「30の段,40の段もそうだよ」

先ほど生まれてきた10の段も,そのままでは独りぼっちでした。そこで,この段の仲間も探そうと考えたのです。

最後は,かけ算九九には仲間がいっぱいるということが分かった1時間でした。後半の子どもの追求のエンジン,最高でした。すばらしい子どもたちの出会いでした!