2023年12月7日木曜日

「ぴたっと」と「あいだ」

「三角をつなげて,いろいろな形を作ろう」と子どもたちに投げかけます。
例えば2個の三角なら,どんな形をイメージできるのか,代表の子どもにタイルを動かし作成させます。
3枚のパターンが完成したときに,「まだあるよ」という声がたくさん聞こえてきました。その中で,おもしろい呟きをしていたのが,I男です。
「左の2つは,ぴったとだからまあまあいっぱいある。右のは間があるから,いっぱいある。」
I男は,3つの図形を2つに仲間分けしたのです。さらに,その仲間分けの根拠を2つの図形の接着部分の長さに目を付けて説明してきました。この仲間分け意味を,時間をかけて共有していきます。

次に,ぴったりだと「まあまあいっぱい」とは,どういう意味なのかを考えます。
「いっぱいの下だということ。」
「10個がいっぱいなら,その半分の5個くらい。」
「ぼくは,7個ぐらいだと思う」
辺同士がぴたっとくっつく形は,それほど多くはないと子どもは考えました。一方,辺の結合部に隙間ができるタイプは,「たくさんできる」「無限にできる」と子どもたちは考えました。

3つの図形を仲間分けを行うこと,さらにその根拠を説明できること,またそれぞれのタイプで構成できる図形のパターン数を考えていくという一連の考えが,授業の冒頭で生まれてきまいした。1年生の子どもたちの見方・考え方が着実に育っていることを実感する一瞬でした。

多くの子どもたちは,I男の考えに賛同しています。一方,怪しいなあと考える子どもも一部にいました。そこで,子どもたちに2枚の三角を配り自由に実験を行いました。
ホワイトボードには18種類の図形が貼られましたが,子どものノートにはまだまだ作成されていました。

次に,「三角を3枚に増やします」と投げかけます。すると,「もっとあるよ」「20は超えるよ」「28くらいできるよ」と,声があがります。三角が3個でできる図形のパターン数を,主体的に予想を始めました。
そこで,今度は3枚の三角を使って各自が実験を進めます。結果は,明らかに2枚よりも多くの図形がノートに描かれていきました。

複数の図形を組み合わせることで,その仲間分けとその先の数に目を向けた考えた生まれてきました。図形に対する見方・考え方の着実な進化に感動した時間となりました。