2020年7月13日月曜日

mLはどこに書く?

    水のかさの学習も大詰めです。子どもたちに,これまでに学習した水のかさで1番大きな単位を尋ねます。これは「L」です。

    次に,2番目に大きい単位を尋ねます。これは「dL」です。1L=10 dLです。

ノートには,「L」のすぐ右隣に「dL」と書きます。両者の単位相互には10倍の関係があるので,それを表す矢印もノートに書きます。

 

 3番目に小さい単位は「mL」です。そこで,子どもたちに次のように尋ねます。

「『mL』は,ノートのどこに書きますか?」


 多くの子どもたちは,①に「mL」を書きました。一方,②に「mL」を書いている子どもも見られました。

 そこで,②の位置に「mL」を書き,次のように投げかけます。

「ここに『mL』を書いた気持ちは分かるかな?」

 ②に「mL」を板書した瞬間,「あっ,そういうことか!」という声があがりますが,「なんで?」という声もあがります。②に「mL」を書いた理由が見えない子どもも多数いました。

 

そこで,②に「mL」を書いた理由をクラス全体で考えていくことにしました。


「1Lは10 dLだから隣に書いた。でも,1dL100mLでしょ。でも,①に書いたら1dL10mLと思われちゃう」

「1Lは10 dLだから10倍でしょ。10は2ます使って書く。1dL100mLだから100倍でしょ。100は3ます使って書く。だから,1ます空ける」

mLを①に書いたら,1mL10倍が1dLだと間違えられる」

 

 単位相互にある倍概念の関係を,どのますに「mL」を書くのかを考えることで,2年生なりに追究していくことができました。

2020年7月7日火曜日

算数夏祭り,もうすぐ申し込み開始!

毎年恒例?の「算数夏祭り」の申し込みが,もうすぐ始まります。

今回は新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から,Zoomでの開催となります。Zoom開催ですので,主催地の新潟まで足を運ぶ必要はありません。全国各地から参加可能です!
かくいう私も,京都から参加します!

今回の内容は,次の通りです。

時 8月8日(土)13:00~

所 Zoom開催

内容  「深い学び」って何?
    ー子どもに寄り添い合う算数じゅぎゅを目指してー

13:00~13:40   MAC(新潟算数サークル)が提案!
        ~これが子どもに寄り添う算数授業だ!~
13:45~14:15   志田倫明先生(新潟大学教育学部附属新潟小)講演
14:20~15:25   尾﨑正彦先生(関西大学初等部)講演
15:30~16:00   質問コーナー
        ~講師陣が参加者の先生方の悩みにお答えします!~

会費 500円(所定口座に振り込み)

新潟の若く,やる気に満ちた算数を愛する先生方と熱く算数を語り合います。皆さんもご一緒に,算数を語り合い,考え合いましょう!

2020年7月6日月曜日

もしかして「dm」「cL」がある・・・?


2年生「水のかさ」の学習です。コーラの瓶の水のかさを予想する学習場面です。

「3dLちょっと」のように「ちょっと」がつくとはっきりしないという子どもの声から,dLの下位単位(mL)の存在を,長さの単位(㎝,㎜)と関連付けながら学習していきました。

これまでに子どもたちが学習した水のかさの単位は,「L」「dL」「 mL」の3つです。ここで子どもたちから,「おもしろいことがある」と声があがりました。

「長さの単位(㎝,㎜)は,どっちにも(右に)mがつく」
「水の単位は(L,dL, mL)は,全部(右に)Lがつく」
「mLと㎜は左のmが同じでしょ。そして,こんな単位はないかもしれないけど,mLの100倍がdLなら, ㎜の100倍にもdがついてdmがあるかもしれない」(I男)

I男は,長さと水のかさの単位相互の関係に目を付けたのです。mLと㎜はmが共通する文字として位置付きます。この論理からdmの存在を類推したのです。素晴らしい視点です。
本来は,この発見はもっと上学年の学習で出会わせる場面ですが,2年生でも同様の発見ができるのですね。

さて,I男の発見をきっかけに子どもたちの発見は,さらに深まっていきます。

「水はL,dL, mLで,一番大きくなるとLだけになるでしょ。だから,長さも㎝,㎜だったから,もっと大きくなると右側のmだけが残るんじゃないかな」
「それなら,㎜の10倍が㎝なら, mLの10倍にもcがついてcLがあるかもしれないんじゃないかな」


単位相互の関係から,単位の抜けている部分にも新しい単位が存在するのではないかという類推的な見方がさらに生まれてきました。

2年生でも,単位相互の関係の板書を工夫していくことで,それらの関係に気付くことができることが見えてきました。子どもの学習に壁はありませんね。

2dLはいい数

水のかさの算数の授業です。これまで子どもたちは,プリンカップなどでマイ1dLカップを作りました。自主学習では,家庭にある様々な入れ物のかさを調べる子どもがたくさんいました。

 

 この日は,コーラの瓶の水のかさを予想しました。子どもたちから生まれた予想は,次のものでした。

dL,8dL,2dL,3dLちょっと

 最後の「3dLちょっと」が発表された時です。

「『ちょっと』って,なーに?」

と声があがります。

それと同時に,

「単位はあるの?」

という声も聞こえてきます。

これらの声の意味を,クラス全体で共有していきます。


「8dL,2dLいい数でしょ」

 子どもらしい素敵な表現が生まれてきました。そこで,「いい数」の意味も共有していきます。


「9dL,8dL,2dLはすっきりとした数」

「ちょうどの数」

「でも,3dLちょっとの『ちょっと』はすっきりしていない。だから,Lの次がdLだったみたいに,もっと小さい単位があるんじゃないかな」

「長さも,2本の鉛筆の長さ比べをしたとき,8㎝と8㎝ちょっとでははっきりしなかった。でも,㎜があったら(差が)はっきりした」

「だから,水のかさももっと小さい単位があるといい」

 

 「いい数」という素敵な言葉の意味を共有することで,dLの下位単位の必要性に子どもたちが気付いていくことができました。


 この後,mLというdL1/100のかさの単位があることを教えました。新しい単位を使ってコーラの瓶の水のかさを調べると,2dL24 mLになることが分かりました。残念ながら子どもから生まれた「いい数」ではありませんでしたが,mLを使うことではっきりしないかさも明確に表すことができました。mLのよさを実感することができました。

2020年7月4日土曜日

長さの水のかさの単位

2年生「水のかさ」の学習です。
Lの単位の存在を知った子どもたちと,様々な入れ物に水が何L入るのかを予想させました。その後,その予想が合っているのかを実際に水を入れて測定していきます。
その中で,「2Lちょっと」のような中途半端なかさの表し方に子どもたちがこだわり始めたことを,前回のブログでも紹介しました。

「長さにも㎝の下に㎜があったから,水にもLの下にもっと小さい単位があるはず」

このような声が子どもからあがってきました。そこで,Lの下にはdLがあることを教えます。さらに,dLを10倍したものがLである単位相互の関係も教えました。

すると,ここでK子が「おもしろいことがある!」と声をあげます。他の子どもたちには,この時点ではK子が気付いたおもしろさは,まったく見えていません。

「長さは,㎝と㎜でどっちもmが最後についている」
ここまでの説明で,「あ,そういうことか!」とK子の思いが見えた子どももいます。一方,まだその気持ちが見えない子どももいます。

「水も,LとdLだからどっちもLがついている」

「本当だ!」という声が聞こえてきます。一方,「どういうこと?」という声も聞こえてきました。ここは,時間をかけてK子の発見をクラス全体で共有していきます。

K子は3年以降で学習する単位相互の関係に気付いたのです。長さ・かさにはそれぞれ単位の記号の共通点があることが「おもしろい」と感じたのです。すばらしい発見です。

子どもたちは,長さには㎝の下位単位がある既習経験から,それと同じ関係が水のかさのLにもあるだろうと考えました。さらに,L,dLを学んだあとは,長さと水のかさの単位相互の共通点があることにも気付いたのです。教師の想定を超えて,2年生でもどんどん学びを深める姿に驚いた1時間でした。

2020年6月30日火曜日

5Lちょっと・・・

前回お知らせした2年「水のかさ」の学習のその後です。


「水の多い方が勝ち勝負」では,子どもチームのコップが先に満タンになりました。そこで,次のように投げかけました。

「満タンのコップの水のかさを,アメリカの友だちにどう伝えたらいいかな?」

 写真提示も動画送付もできないという条件で考えてもらいました。子どもからは,「コップの高さを教えればいい」というアイディアが生まれてきました。コップの高さは13㎝です。さらに,次の声が生まれてきました。

「それだけじゃあ,だめだよ。コップの横の長さも教えないとだめだよ」

 ゲームに使用したのは円柱状コップです。底面部分の直径を教えないとだめだという指摘です。直径は10㎝でした。これで必要な長さはわかりました。ところが,子どもから再び声があがります。


「でもさあ,中が小さいかもしれないよ」(外側と内側に厚みがあるかもしれないという指摘)

「同じコップがアメリカにもあるかわかないでしょ。だから,それだけじゃあだめだよ」

「長さの時みたいに,世界で使える単位はないのかな?」

「そうだね。㎝とか㎜とかないのかな?」


 この場面でも子どもたちは,長さの学習とつなげて世界共通の水のかさの単位の必要性に気付くことができました。


 そこで,世界共通の水のかさの単位として「L」があることを教えます。その後,絵の具バケツや洗剤ケースなどの水の容量(かさ)を子どもたちに予想させました。


 バケツの予想では「4L」「1L」の他に「5Lちょっと」という声があがりました。この「ちょっと」に対して,声があがります。

「『ちょっと』って,人によって違うよ」

「水にも㎝の下が㎜だったように,Lより小さい単位があるんじゃないかな?」


 長さで学習した㎝の下の㎜のような小さい単位があれば,「ちょっと」という曖昧な表現は必要なくなります。この場面でも,水のかさと長さの学習をつなげる発想が子どもから生まれてきました。

子どもの発想力は柔軟ですね!

2020年6月29日月曜日

水の多い方が勝ち勝負をしよう(2年「水のかさ」)

 算数の時間,「水の多い方が勝ち勝負をしよう」と投げかけます。私と子ども代表でジャンケンをします。パーで勝つと3杯,チョキだと2杯,グーだと1杯の水を大きなカップに入れていきます。このジャンケンを繰り返し,最後に水のかさが多かった方が勝ちというゲームです。


 ルール説明後,ゲームを始めようとしたその時です。「コップの大きさが違ったらだめだよ」と声があがってきました。ジャンケンで大きなカップに入れる入れ物の大きさが,先生用と子ども用で大きさが違うのではないかという疑いの声です。この声をきっかけに,さらに子どもたちの声が続きます。

 

「長さでも同じ事があった。先生とH先生の長さのブロックの大きさが違った」

「同じブロックにしないと,正しく比べられなかった」

「水も入れるコップが大と小では大のコップの方が勝っちゃう。小は絶対に負けちゃう」

「だから,長さと同じで同じ大きさのコップにしないとずるになるよ」

「長さには単位があったから,水にも単位があるんじゃないかな?」

 

 長さの学習で,2人のテープの長さ比べを行いました。その際,子どもたちは長さを測定するブロックの大きさが異なる場面を体験しています。ブロックの大きさが異なると,正しく長さの比較ができないため,共通のブロックを使わなければいけないことを学習しました。

 子どもたちは,既習の長さの学習とつなげて水を入れるカップの大きさが共通でなければ正しく水のかさ比べができないことに気付いたのです。長さと水のかさの学習をリンクする視点が生まれてきたことにびっくりしました。


 実は,写真のように子ども用は左のカップ,先生用は右のカップを子どもに気付かれないよう使用する予定でいました。ところが,子どもたちはこの私の企みを早々と察知したのです。しかも,その根拠を長さの学習とつなげることができたのです。すばらしい子どもたちの発想力です。

 

この学習は水のかさも共通の道具で想定しなければ正しく比較ができないことを学ぶことをねらったものです。そのために仕掛けを企てたのですが,子どもの発想の方が1枚も2枚も上手でした。最終ゲーム結果は,子どもチームの2勝0敗となりました。